菅総理のTPPに対する考え方は、木を見て森を見ずの論理だ。 | 「永田町で考える地方のまちづくり 」

菅総理のTPPに対する考え方は、木を見て森を見ずの論理だ。

テレビ朝日の報道ステーションに出演した菅総理。
総理が民放に出演すること自体は奨励すべきことであり、国民に対して考えを述べることも重要である。
しかし、それには前提があって、国民の代表である国家議員としっかり論戦を行い、争点などを明確にした上で考えを述べるべきだ。議院内閣制におけるエチケットだと思う。しかし、国会は混乱状態にある。仙谷問題による委員会ばかりでなく、党首討論も見通しは全く立っていないのである。総理は国会でまずは論戦できるよう、まずは党内を整理する必要がある。

その上で、TPPに関する所見を聞けば、第三の開国などと勿体をつけているが、このブログでも何度か指摘しているように、WTOも自由貿易の拡大を掲げる国際機関で、わが国はその原加盟国である。WTOの成果は何だったのか?と思う。TPPはあくまでも環太平洋の数カ国が加盟を検討しているに過ぎない。実体は米国との自由貿易協定であり、EUやインド・ロシアは関係ないのである。
TPP域内の貿易総額が世界貿易総額の大半を占めるというならば、第三の開国という表現もわかるが、菅総理の論法はTPP=世界貿易という間違いを犯している。
農業に関しても規模拡大と6次産業化で国際競争力が付くというが、農業を経済的側面でしか見れない総理の考え方は狭すぎだ。
いずれにしても、一部を全部だと言い張る愚かな論法だと指摘せざるを得ない。