「給付付き税額控除」は民主党の政策だった! | 「永田町で考える地方のまちづくり 」

「給付付き税額控除」は民主党の政策だった!

次の文章は、民主党が一昨年の暮れに発表した民主党税制改革大綱からの抜粋である。

たとえば各国で広がる格差拡大、それによる低所得者の増加に対して、税制と社会保障制度とを組み合わせた仕組みが導入されている。その具体例が所得控除を税額控除へと転換し、かつ控除しきれない税額控除額についてはその分を還付の形で、低所得者へ給付する「給付付き税額控除」の導入である。<2~3ページ>

公明党の政策にしてもおかしくない、素晴しい提言である。ここで言及されているように、ヨーロッパを中心として、社会保障と税制(あるいは、さらに金融政策)を組み合わせた所得格差是正措置が取られている。公明党の一連の政策は、まさにこうしたヨーロッパの主流の考え方を踏襲するものである。つまり、
①社会保障政策として
 児童手当(所得上限のある低所得者対策)の拡充
 長寿医療における更なる低所得者対策
②税制として
 今回の定額給付(実質的な戻し税+非課税世帯への支援)
③金融政策として
 緊急融資などにおける優遇金利や利子補給
などは全て、このような考え方に基づいて公明党が主導し、政府に実行を迫ってきたものである。しかし、民主党は、「給付付き税額控除」を主張しながら、今回の定額給付金に反対しているのである。これは、どう考えても矛盾である。すでに明らかなように、単なる税額控除(本来納めるべき税金を減額する)では、非課税世帯への恩恵がない。民主党のいう「給付付き税額控除」を実施する場合にも、現金(あるいはクーポン、商品券)の支給は不可避である。

 思えば、民主党は公明党が推進してきた児童手当の拡充にはことごとく反対してきた(共産党さえ賛成したのに・・)のである。しかし、マニフェストにはちゃっかり「こども手当て」を載せている。
 結局、「政局」優先のあまり、政策の整合性が犠牲にされている。これは、小沢氏が自民党にいた頃から全く変わらない手法だ。それこそ変えなければ、国民は右往左往する政策に付き合わされることになる。