人は臨終の際、何を思うのでしょうか。想定される死、突然の死、死に方はさまざまですが、

何を思って死んでいくのでしょう。「死」というと、何かネガティブに考えてしまう人が多いように

思います。しかし、私はポジティブに考えています。よほど死に方が悪くない限り、死なない人

などいないわけですから、死を過度に怖がってもしかたないと思います。ただ、死に方が悪い

と記述しましたが、例えば、あまりに若い方の死、病気・怪我等であまりにも苦しい死、何者か

(人に限らず動物等も含めて)によって殺される死などについては、あまりいい死に方とは思え

ないです。何か無念を感じてしまいます。無念の心が強ければ強いほど、悪い死に方になって

しまうように思います。そうは言っても、生を受けた以上、必ず死ななければならないのは運命

(さだめ)と考えていますから、好むと好まざるとに関わらず、受け入れざるおえないと思いま

す。遺言書は、そのような人間にとって、何か最後のメッセージ、とても大切なメッセージだと

考えられるのです。言い残す事の何もない人という方もおられるかもしれませんが、やはり、

何か人は言いたい事がある方が大半なのではないでしょうか。私はそう思います。そのような

人間共通の意識が遺言書というものを世の中に存在させた原因ではないかと考えています。

遺言の内容は、その人の存在してきた人生の証し、ある意味その人の人生観の現れであると

いえると思います。作成に当たっては、自分自身の人生観と向き合う必要があります。