家系図作成の効用は、いろいろあると思います。先祖供養、自己探求、子孫への遺言等、

さまざまな事が考えられます。先祖供養については、何度かふれましたが、暗闇の中に閉じ込

められていた人(先祖)を明るい外に連れ出してさしあげる。それだけでも相当の供養になる

のです。自己探求については、少しわかりずらいかもしれません。例えば、私(飯嶋真一)の

場合を述べさせていただきます。私の十二代前の先祖は切支丹でした。私は20代前半の頃

それを知って、当初は「自分の先祖に切支丹などいるはずがない。」と思って信じられません

でした。しかし、詳細に調査していくと、その経緯等がわかってきました。当時は、江戸時代前

期、三代将軍 徳川家光公の治世、私の先祖は現代で言う海外留学を志していました。ところ

が、時の政権は日本人の海外渡航を禁止してしまったのです(いわゆる鎖国)。私の先祖は

たいへん落胆しました。その頃、起ったのが天草一揆(いわゆる島原の乱)でした。私の先祖

は鎖国政策へ異を唱える意味から洗礼を受けてこの一揆に参加したのです(つまり、この時

点で切支丹となった)。家からは勘当処分され、一揆で負傷(左目を矢で射抜かれる重症)が

もとで死亡するという結果になったのですが、実家の者は「その志(海外留学)を憐れみ。」

勘当を赦免したと伝わっております。私の家はけっして名門というわけではありません。しか

し、調査の仕方しだいではこの程度の事はわかるのです。私の家系は理屈っぽい人が多い

事がわかりました。良くも悪くもその傾向は私にも受け継がれています。理屈っぽい傾向が良

く働いた人もいれば、悪く働いた人もいます。それが、自己探求につながると考えています。

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