暖かくなったり寒くなったり

体調管理が難しいですね。

花粉症がある人はもう大変なのかなあ?

 

さて久しぶりに文学の窓、

本日は真鍋 美恵子の短歌を鑑賞します。

 

 

 

日のひかりあふるる窓に壺はあり壺はつきつめし孤独の象

                   ー真鍋 美恵子

 

 

光があふれている状態とは、

普通望ましい状態であり、栄光や幸福

といったプラスの印象を与えるもの。

 

だが作者は光の中に置かれた壺を孤独の

印としている。

これはどういう事だろうか?

 

壺は何かを入れるものであり、

物があって用をなすものである。

何も入っていない壺は単体でしか存在しておらず、

入るべき物がない状態、つまり満たされない

心の状態という事なのだろうか?

 

それゆえ孤独を感じさせる形と詠んでいるのだろう。

 

光の中にあるがゆえに孤独は

より一層はっきりわかる。

普通は望ましい日の光も孤独を

引きだたせる力になってしまっている。

 

孤独は望ましいものとの対比の中で、

強調されているのではないか?

 

文学ディレッタント  飯島 昭典