8月も下旬になるのにいっこうに暑さが収まらないですね。

早く涼しくなって欲しいです。

 

さて、本日は沢田 英史の短歌を鑑賞します。

 

 

立ち止まり遠く見つめることもまた勇気なのだとペンギンが言ふ

                              ―沢田 英史

 

 

ペンギンとは声をあげる動物なのだろうか?

私のイメージでは声らしい声を発しない動物である。

 

大変な寒さの中、立ちながら産んだ子を守っている。

そんなイメージではないだろうか?

 

人は誰かの意見に同調しやすいものだ。

その人が権力や魅力のある人なら、

なおさらのことだろう。

 

そんな時に黙って未来を眺め、じっとしている。

ペンギンのように静かに前を見つめている。

 

これは確かに大衆に合わせず、

自分の立場を守るという意味で、勇気がある行動だ。

 

長いものには巻かれろ、などという言葉があるように、

同調するのは簡単な事。

 

意見を述べずとも黙って静観する。

こんな態度が持てる人は強い人ではないだろうか?

 

ペンギンの強さ。

愛くるしい姿とは似つかわしくないが、

面白い連想である。

 

文学ディレッタント  飯島 昭典