私の家は川の近くですが、

河川敷で工事中のため、ぐらぐら揺れが続いており、

なんか脳震盪みたいな感じで気持ち悪いです。

音が聞こえない分、まだましですが・・・

 

さて本日は植田 珠實の歌を取り上げます。

 

人間は美味なのかしら をさなごの無心にゆびをしゃぶりつづける

                                     ―植田 珠實

 

にんげんは びみなのかしら おさなごの むしんにゆびを しゃぶりつづける

 

 

指をしゃぶる行為とは何かを欲する行為、

何か満たされない感情がある時と、

よく言われる。

 

でも小さな子供の場合は、

特に不満がなくても無意識に

指をしゃぶるのが見られる。

 

これは人間の発達過程で必然的な

段階と考えられているものである。

 

指をしゃぶっている子供を注意する

親がほとんどだろうが、

その光景を見てどことなく、

ほほえましさを感じてしまうのも親心である。

 

「人間は美味なのかしら」と表現するのは面白いが、

人の酸いも甘いもわからない幼子が

やがて人の美しさ、醜さという「味」が

分かってくるのが人生というものであろう。

 

文学ディレッタント  飯島 昭典