金曜日に腰を痛めてしまい、

運動をお休みしています。

まあ、トレーニングの休養と考えれば、

多少は気持ちも軽くなりますが・・・

 

さて、本日の「文学の窓」は、

梅内 美華子の歌を取り上げます。

 

 

一度にわれを咲かせるようにくちづけるベンチに厚き本を落として

                                     ―梅内 美華子

 

いちどにわれを さかせるように くちづける べんちにあつき ほんをおとして

 

 

ベンチでのキス。

場所は公園だろうか?

 

本を読んでいたようだが、

キスをするような状況では、もちろん

集中して読む事は出来なかっただろう。

 

緊張。

そしてキスをした後の喜び、心の解放。

心に咲く花がキスという行為だろう。

 

周りに誰もいないベンチでのキスとはいえ、

屋外でのキスは、必ず人の目を

気にするものである。

 

互いの緊張は、キスの緊張と共に、

人の目を気にするという緊張が加わり、

倍増するのではないだろうか?

 

でもこの緊張感が青春である。

 

厚い本を根気よく読む青春。

恋愛という青春。

この二つが並んでいる青春の歌ではないだろうか?

 

文学ディレッタント  飯島 昭典