マゼラ・アタック原型1号 | 宇宙世紀兵器回想録UC0001~0084

宇宙世紀兵器回想録UC0001~0084

宇宙世紀130年に一年戦争終結50周年を記念して出版された、ウォルター・E・ベルンシュタイン著「宇宙世紀兵器回想録」の一部を抜粋したものです。
※プラモデル製作のサポート、マイナーな機体の情報存続を目的としています。





諸元
型式番号不明
英語名MAGELLA-ATTACK First Prototype
所属ジオン公国軍
開発ダロテック・コマンド・システム社
生産ダロテック・コマンド・システム社
生産形態試作車
開発年U.C.0075
退役年不明
全長不明
頭頂高不明
本体重量不明
全備重量不明
装甲材質不明
原動機マゼラ・ベース:ブリストルTE80ガスタービン×2
マゼラ・トップ:VF102VTOL用エンジン×2
出力不明
推力不明
センサー有効範囲不明
最高速度マゼラ・ベース:80km/h
マゼラ・トップ:不明
武装175㎜無反動砲×1
35㎜三連装機関砲×1
AMM-5対戦車ミサイル四連装キャニスター×1?
乗員数2名?
搭乗者ジオン公国軍兵士?
登場作品機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編
機動戦士ガンダム GUNDAM WEAPONS U.C.0080(文字設定のみ)
参考作品機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編
機動戦士ガンダム GUNDAM WEAPONS U.C.0080(文字設定のみ)


解説

 

 U.C.0073年、公国軍は将来予想されるであろう地球侵攻作戦のために地上兵器開発局を設置した。内部では予想される作戦に必要な各種の航空機、艦船、車両の設計、開発がおこなわれたが、戦闘車両の開発は他に比べて優先順位が低く、比較的スローペースで進められた。軍の要求は①MSの投入は高価なために数的にかなりの制約が予想されるので、それを補填する能力が必要なこと②MSでの搭載が不可能な火器が装備できること③高い残存性と高機動の3点であった。要求の中に輸送に関する事頂がないのは意外に思われるが、これは輸送機の開発が車両以上にスローペースであったため、車両の設計終了後にそのスペックに合わせて開発されたためである。

 設計はサイド3-11番地にあるダロテック・コマンド・システム社に発注された。同社は地球連邦軍が地上に広く配備していた61式戦車を元に1年後の0074年にプロトタイプ1号車と呼ばれる試作車を完成させているが詳細は不明である(M1戦車またはその派生型である可能性が高い)。本車は61式をややスケールアップしたような形状で、コンパクトな砲塔に120㎜砲を装備していたが、これを見た開発局のプロセット・ワイバーン大佐の「残存性を高めるためには、砲塔の独立飛行が必要」との意見により大幅な設計変更を余義なくされた。

 1年後に登場したプロトタイプ2号車鎮圧用途に開発されたM1戦車をベースに、対モビルスーツ戦や移動要塞としてのコンセプトを盛り込んだ大車両として完成した。記録上「A04」と命名された本車両が当レポートのマゼラ・アタック原型1号に該当すると思われ、マゼラ・ベースと呼ばれる本体上部にマゼラ・トップという独立飛行可能な砲塔が装備されていた。武装はマゼラ・トップ部に175㎜無反動砲1門を装備している他、マゼラ・ベース前部に35㎜三連装機関砲(他の型ではAMM-5対戦車ミサイル四連装キャニスターを積むこともあるとされるが詳細不明)が搭載されている。エンジンはマゼラ・ベースがブリストルTE80ガスタービン2機、マゼラ・トップには推力60tの同VF102VTOL用エンジン2機を搭載していたと記録されている。 また、無重力で作られるゾディアック合金と強化カーボンファイバーを多用し戦闘重量を抑えたため、路上における最大速度は80km/hをマークしたとされている。

 マゼラ・トップはダロテック社のエイハンス・ウェップ技師の設計で、ドダイ爆撃機設計で有名な彼は、軍の無理な要求を優秀な手腕でコンパクトにまとめている。小柄な機体に175mm無反動砲を搭載し、飛行中の射撃も可能としたのには驚かされる。このため飛行中の安定性確保のためVF102のテイルノズルは後部から長く突き出し、やや下方に向けられている。また、バズーカプレート兼用のスタビライザーが両翼端につけられた。


 搭載されている175mm無反動砲は本車両用に開発されたもので、自動装填装置を採用している。マゼラ・トップ部には6発の砲弾しか搭載できないが、マゼラベースとの合体時には各種砲弾80発を搭載可能で、ドッキングベイのハッチを介して自動給弾される。キャノピーは対弾強化アクリル製で120m砲クラスの射撃にも耐えられるとされており、量産型のマゼラ・アタックと比べると左前方に突き出す形で配置されていた。