○興奮のコントロール


前々回に書いた通り、犬の問題行動の原因のほとんどは興奮しているときに起きます。

犬に興奮をさせない、興奮しない状態にすることができれば、いろいろな問題行動はなくなります。



まず犬に何かをするまえに飼い主さんに練習してもらうことがあります。


それは平常心です。


犬は周りの生き物にシンクロして興奮したり、落ち着いたりする生き物です。

私は科学的にどういったことでそうなるかは分かりませんが、そうらしいのです。


瞬間的に出る汗のにおいに含まれる何かがうんぬん、という科学者もいれば、

「気」が、「エネルギー」がうんぬんという訓練士もいます。


犬は人間には分からない第6感を持っているのです。

もしかしたら嗅覚なのかもしれませんが。


とにかく「犬は(人間もしくは他の動物の)何かを感じ取って興奮がシンクロします」

人間が興奮したら犬も興奮します。




○犬の興奮をコントロールするにはまず飼い主が「興奮していない状態=平常心」なれなければなりません。



じゃあ平常心って何なのさ?ってことになりますが、

武道の達人が「気が…」と説明しても素人には分からないように、

なんか精神論を言われているようで分かりにくいと思います。


なので心のことは一切無視して行動だけで「(疑似)平常心」になる方法を書きます。

始めは疑似でいいんです、疑似で。



まず真っ直ぐ立ちます。

手はフラフラとぶらつかせないように。

犬のことは何も考えず目の前の壁だけを真っ直ぐ見ましょう。

頭はまっすぐ。犬の方を見てはいけません。

そのままストップして、普通の呼吸をしてください。

自分が大木(たいぼく)や石になったイメージをしてもいいでしょう。


この状態で(疑似)平常心が作れます。

何も考えなければ、そのうち疑似が取れて平常心になるでしょう。

とりあえずイライラしたり、呼吸、心拍数が上がってなければいいです。


英語の「calm」(海で波の無い、落ち着いた)のイメージです。



この「平常心」を憶えておいて下さい。


②に続きます。