思うことがある。

就職して実家を出た時に、当たり前の連続が当たり前ではなかったことに気づく。いや、以前の私にとっては当たり前であったのだ。

 こうして今になって初めて気づくことが増えた。気になるあの子は今思えば両思いだったとか。


 歳をとるというのはこういうことだろうか、と思う。学生に戻りたいとか、後悔があるならその日に戻りたいとか思っていたが、最近ではそれさえ趣を感じている。あぁ楽しかったな。

 しかし、そうであれば私はこの感情に終止符を打つこともできる。いわゆる後悔というものに革命を起こすのだ。

 革命の概要は至ってシンプルで、後悔しないように今を生きることだ。

気づくのが遅くなったが、周りは当たり前のように行っていたことなのかも知れない。しかしそれは、簡単なことではなく、先制攻撃を仕掛けているのである、未来で訪れる後悔に対して。

 革命を起こした私の未来は変わっていて、また新たな後悔が生まれているのかもしれない。でもそれは過去の私がかましたボディブローを受けているのである。そしてまたそうはならないようにと未来にジャブを打つ。そうすることで少しずつ後悔のない大人になるのではないかと。

 大人の境目は難しく、この歳を過ぎたら人は大人になると定義されても無理な話であって、昨日の自分とは何も変わらない。ある日を境に大人になるのだとしたらそれは、後悔をしないように生き始めたその日なのだ。


 私は貯金を始めた。