今朝になって情報を見つけてびっくり。
アニメ映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』が
今夜7時から9時15分まで、BS12で放送予定だそうです。


監督・脚本は岡田麿里(おかだまり)さん。
オリジナルアニメの脚本を多く手掛け、
幼少期を過ごしたという埼玉県の秩父を
人によっては「世界の中心」と言えるほどの聖地に変えた人です。
とてつもなく赤裸々で強烈な自伝を発表され、
新聞の土曜別刷りや土日の読書面で紹介されたことがありました。
その自伝を発表後、秩父ではない場所を舞台として
手掛けられた監督作品が、このアニメ映画でした。


若い時の姿のまま生き続ける、滅ぼされた村に暮らしていた
一族の少女を主人公に、
生き残った幼馴染、
村の外で偶然出会って育て上げた(普通に年を取る)孤児の男の子とその恋人、
村を滅ぼした国の武人や王族たち、
それぞれの人生と、少女や一族との「関係性の変化」を、
時間を追うごとに丁寧に描き上げた、叙事詩のような物語でした。


少女を演じる主演声優は、石見舞菜香(いわみまなか)さん。
かつてBS11のアニゲーイレブンで「マナティ」と呼ばれていた人です。
『ご注文はうさぎですか?』の新展開でも活動されています。
今年初めには、ウマ娘のライスシャワーとして大活躍されました。
また、育っていく男の子の役は、長年の実績がある入野自由さんですから、
大きな存在感を示されています。





夏に放送された京都アニメーション映画『リズと青い鳥』もそうですが、
今年のBS12は、アニメ映画の放送に積極的に取り組んでいると感じます。

直近五年ほどの間に、優れたアニメ映画はたくさん発表されました。
しかし原作や出演声優等に対する熱心なファン、
あるいは相当なもの好きでない限り、
普通の人がそれらの映画を観る機会はほぼありません。
わざわざ時間をかけて映画館に足を運び、
面白いかどうか観るまでわからない映画を、金を払ってあえて観るのは、
なかなか大変なことです(ちなみに12月1日は「映画の日」で割引日)。

だからこそ、日曜祝日夜の早い時間帯に、こうしてアニメ映画の放送枠が
確立されつつあるのは、いいことだと思います。
その人にとって面白いかどうかは、観てみなければわからないのですから。



個人的にはこの時間帯で、『ガラスの花と壊す世界』を
再び観てみたいと思っています。
東京浜松町にある貿易センタービルから見える夕景を、
アニメの中で描いた物語は、この作品しか知りません。
リズと青い鳥はスピンオフに近い作品だからいいとして、
テレビアニメ等を経ないで「いきなり映画」として作られた、
オリジナルのアニメ映画作品は、忘れ去られるのも
非常に早いと痛感しています。
そういう作品を、ぜひまた観たいものです。