2021年暮れの「紅白歌合戦」、個人的にはかなり楽しく観た。
録画なので、ところどころ早送りした箇所もあるけど、それほど多くはなく。
司会陣もそつなく。
大泉洋氏には、特にエヴァンゲリオンのくだりでは大いに笑わせてもらった。これ、他の司会者ではこのおかしみは出ないでしょう。
女性司会者は国民的女優というイメージがあるので、川口春奈さんはまだその域には達していないのではという疑念もあったのだけど、進行上手だしSDG'sのからみでもなるほどと。
そして、和久田麻由子アナウンサーの、あくまでさりげなく要所要所を締めていく術にさすが看板アナと感心しきり。

会場の東京国際フォーラムは、観客席がグレーなのでちょっと暗く感じたかな。
特に審査員席周辺がちょっと寂しかったような。
NHKの施設じゃないから、いろいろ融通利かなかったのかな。
でも建物のいろんな場所を使っているのもおもしろかった。
(去年自分が訪れていたらもっと興味深く観られたのにー・・・と、矢野顕子さんのさとがえるコンサートに行けなかった無念さが再浮上したりもしたが・・・)
舞台上の演出もごちゃごちゃしすぎず、往年のものよりもハイクオリティな感じがした。

一番印象的だったのは、やっぱり、藤井風さん。実家からの中継ーからの東京国際フォーラム会場への突然の登場、かな。審査員の清原果耶さん、泣いちゃってたなー。
トリにMISIAさんが歌った「Higher Love」、初めて聴いたのだけど、藤井風さんの提供曲だったのねー。
いろんな不安が吹き飛んで温かいものに包まれるような、新年を迎えるのにぴったりの曲だったと思う。
昭和的な考えだと、初出場なのに2曲歌ってトリにもピアノで参加とか、ありえないことだけど、風さんはすっと普通になじんでいた。新時代だな。

皆さんステキだったけど、超個人的に印象に残ったのは

Perfume:特にファンというわけでもないけど、10代20代のアイドルにはない風格を感じた。ああいうスタイルだとやっぱり若いほうがいいという風潮が根強くあると思うけど、年齢と活動歴を重ねて、より魅力的になっていることが嬉しく感じた。

薬師丸ひろ子さん:歌手活動40周年ということで、自分も2021年は過去を振り返ることが多かったので、勝手に重ね合わせてしみじみした。高校卒業の頃に読んでいた「月刊カドカワ」たぶん3月号、薬師丸さんは大学卒業ということで竹内まりやさんと対談していたなーなどと思い出したりして。
「Wの悲劇」撮影の頃は、薬師丸さん、まだ大学生だったのねー。もっと大人っぽく思っていた。
「Woman ”Wの悲劇”より」は、ほんとうに名曲。
数年前カラオケにハマった頃に、じっくり詞曲を鑑賞してあらためて感動していたのだった。

とくに心震えるのがこの歌詞↓

「ああ時の河を渡る船に オールはない 流されてく」

松本隆さんは(個人的好みでいえばウェットでスイートすぎるかなーと思うこともあるけど)、やっぱりすごい作詞家だ。

かつての紅白でTOKIOが歌っていた「宙船」(中島みゆき詞曲)の

「その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
 おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」

にも衝撃を受けたものだが。

人生を例えるのに「山」よりも「海」のほうがしっくりくるほうなので「船」や「オール」に感じるものがあるのだろうか。

他にも書きたいところなのだが、話が逸れていったので、また別の項で。