引き続き読んだ本の覚え書き

『強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」』(廣瀬陽子)

著者の専門はコーカサス地域とくにアゼルバイジャンとのことで、私が漠然と求めていたスラヴ文化のことはなかったけれど、まるっきり知識も何もなかった旧ソ連諸国のことを知ることができてよかった。
著者が私より若い女性ということもあってか、なじみのない内容でも比較的読みやすかった。
本の中のコラムを読むと、著者はかの国々で相当危険な目にあっていてぞっとする。
こんな難しい地域を研究対象に選んだ理由ってなんなのだろう…と思うに、ちらっと、おじいさまが70年代モスクワに技術指導に行っていたと書いてあって、ふーん、そういう前の世代からつながりが無意識にせよ道をつけたりすることもあるのかなぁと思った。
(本書の内容とは関係ないけど、ひとがなぜその専門を選ぶかについてわりと気になるもので…)

それにしても政情不穏な国々のことを読むと、いろいろ問題があるとはいえ日本に住まうことの幸せをつくづく感じずにはいられない。
(政治はひどいと言われるけど、少なくとも挙げられている諸国家ほどにはひどくないと思う。言論は自由だし、信頼性のあるパスポートが得られて移動も基本的に自由)

エピローグの章ではソチ五輪招致の経緯を知ることができた。
ソチって素敵なリゾート地みたいだけど、地理的にはやっぱりなんだか危険な感じ…
プーチン首相みずからが熱心に働きかけて逆転勝利に導いたというのに驚き。