異界交流記
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また小説書くよ!!(>▽<)

小説書くよ!!時系列バラバラで書くから構成は後でやるよ!!(>▽<)
sectionは後で整理しやすいようにつけた適当な番号付けです。

タイトル(仮)

「時空婆」

SECTION 131

 最近、自分の名前も忘れることが多くなってきました。加齢による物忘れに加え、異次元を渡る際に浴びる、複数他次元放射線物質の影響により、私の脳はかなりもう使いものになりません。異次元を渡ればそうなる事を知っていましたけれど、やっぱり自分が段々に壊れてゆくのは、辛い辛い怖い。時々、そうなる事を知っていたことも忘れてしまい、脳内には原始的で攻撃的な、辛い辛い怖い、が埋め尽くします。そんな、泣いても叫んでも脳内呪詛が消えない夜には、私は赤い豚革の手帳を開きます。




SECTION t-10

3月1日 
 今日、生まれて初めて合コンに行った。お酒もちょっと飲んじゃった。柳沼さんって人が、すごく喋ってた。京子もいっぱい喋ってた。
大学生ってなんか大人っぽくて格好よくてすごいなって思った。私なんか相手にしなさそう。何人かにメアド訊かれたけど、それは他の子に訊いて私にだけ訊かないのも、具合悪かったから。きっともう二度と会うことのない人たちに決まってる。


3月2日 
 夜、京子たちから召集がかかってサイゼに行った。合コン後の会議だって。そういうの、当たり前にやるみたい。
みんな、あの後、いろんな人からお誘いのメールが来たらしい。あれはナシとかこれはキモいとかそれはアリとかで、盛り上がった。
いいな、私には誰からもメールが来てない。知ってたけど、落ち込む。
・・・と思ってたらメールの着信が来た。山越さんから。・・・誰?
でも、とりあえず嬉しい。彼のお陰で、私はのけものにならなかった。山越さん大好き。




SECTION 10

俺がジョナサンのバイトを終え、街灯に照らされているチャリに乗って帰ろうとしたとき、だれかに呼び止められた。
「山越ぃー!」と俺を呼んだのは、柳沼だった。柳沼は、その気さくなニキビ面を微笑みで歪め、ウェイター服のまま俺に走りよってくる。
「あー、わりぃわりぃ!あのさー、突然だけど山越今日暇?」
「え?」
俺はこの後、暇だった。そして早く帰ってゲームがしたかった。
「あ~ちょっと微妙なんだよな~。うーん。」
「マジで?今日さー合コンがあってさぁ、急にドタキャン一人出てマジ困ってんだよ。ちょっとたすけてよお。な!」
俺は、微笑みニキビ面を見ながら考え込む。柳沼はいい奴だから、頼まれるとちょっと心が動く。が、面倒臭い事に参加してやる気はなかった。
「あー、ごめん!今日友達と会う約束しててさぁ、結構遅い時間なんだけど、やっぱ無理だわ。ごめんなぁ~。」
俺はさわやかに軽快に合コンを断ると、チャリを颯爽と発進させた。

 
 俺は、詰まってるボスをこれからどう攻略するか考えてわくわくしながら、夜道の中、颯爽と進んだ。人気のない住宅街に入ったところで、突然、道の角から黒い塊が飛び込んできた。と思うまもなく黒い塊に俺は突っ込み、ガシャン!という衝撃音とともに、俺はチャリからころげ落ちる。アスファルトにたたきつけられ、体の上に自転車が倒れ「ってぇ!」と叫んぶ。そして、周囲は不気味に静まり返った。
 俺は5秒ほどの間を置き、おそるおそる体を起こした。いったい何が起こったんだ、何と衝突したんだ、というのを確かめるために、俺は黒い塊にゆっくりと近づいた。

 黒い塊は、萎れた婆だった。俺はそれを見た瞬間、これが嫁からも息子からも超嫌われている老害婆だったら良いなという事を思った。気持ちを落ち着けてから俺は婆の首に触り、脈を確かめる。何の感触もない、動きがない。とても静かな現実が、迫ってくる。恐怖で泣きそうになった所で、いきなり俺の手首が干からびた手に掴まれた。婆の目がパカッっと開き、充血した目で俺を睨み、驚きの力で手首を握り締める。
 いまだかつてない安堵感と恐怖感で脳がどうにかなりそうだった。
 婆が口を開く。








ーーーーーーーーーーー

つづく!




しょ、小説かいたおよよ。(=⌒▽⌒=)

おわった・・・・・。今度更正しなおして、一つにまとめます・・・・。感想いただけたら嬉しいです・・・・・・・・。





第八章 再会




 エリから連絡が来た。「久しぶりに三人で会わないか」との事。今更どの面下げて私と会う気だよ。ふざけんな。こっちは慰謝料請求したいのを我慢してんだよ。死ね。なんて言わない。電話で何を言っても無駄だ。直接会って殴る方が早い。
私はある決心を秘めてあの二人に会う事にした。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 私は何度も清華に連絡をしようかと思った。でもその度に、あの黒い目を思い出して怖くなった。確かに、私が清華を誘わなければ、ああいう事にはならなかった。でも、清華はあまりにも不幸な目にあったばかりに、その不幸の大きさの分だけ私を過大に恨んでいる。
 私の体は元に戻った。しかも元の体より美しくなって。もう、これで良いじゃないか。清華はかわいそうだけれど、私にはどうしようもないし、会っても理不尽に責められるだけだ。
 そうやって必死に清華を忘れようとし、実際に忘れかけて、あー就職きまらないそもそも就職活動全然してないないやばいなー、と思いながらネットゲームをしていた頃、清華の彼氏から電話があった。見慣れない着信が入り、不審がって出ると、忘れもしない彼の声だったのだ。
 「あの、俺、山岸幸一っていいます。彼氏です、田村清華の。・・・突然ごめんなさい。今、良いですか?実は、お聞きしたい事があって、電話したんです。番号は、清華の同窓生名簿を借りて、ご実家の方に聞きました。」
 「・・・・はい。」
 「本当、なんか、すいません。あの、清華、今、家に帰ってなくて、それで捜索届け出されてるっていうの知ってますよね。実は、失踪前から彼女急にメールでしか連絡が取れなくなって。避けられてるのかって思ったけど、でも会ってみたら、普通に気持ち通じ合ったし全然別れたいとか、そんな感じ、しませんでした。でも、やっぱり彼女、様子おかしかったんです。話し方とか雰囲気が全然違ってて。あいつ、普段友達を家に呼ばないのに江崎さんとは家に泊まらせるぐらい仲が良かったじゃないですか。それで、あの、江崎さんなら何か知ってるかと思って。それで、何でも良いんです。何か少しでも、教えてください。お願いします。」
 幸一は、切羽詰った涙声で、私にお願いしますお願いしますと何度も繰り返す。私はその言葉に応えてやりたくてたまらなくなった。
 「大丈夫です、大丈夫ですから・・・。はい。ええ。ただ、私が知っているのは一部分だけだし、それもちょっと複雑な話なので・・・。あの、良かったら直接会ってお話できませんか?」

 そして次の日の午後、私は自分が一番気に入っている青いワンピースで彼と会うことにした。待ち合わせ丁度の時間に、細身のジーパンとトレーナーだけを着ただけで十分格好良い彼がやってきた。

 やっぱり幸一君は格好良い。近くに一緒にいるだけで、とても幸せな気分になる。私たちは周りから見たら恋人同士に見えるのかも。

 「それで、清華の事なんですけど・・・。」
 マクドナルドでバリューセットを二つ買い終え、向かい合わせで座って私がジュースを一口飲むのを見届けると、幸一君はいきなり本題を切り出した。私は残念な気持ちになり、「はい」と言ってジュースを飲みポテトを食べてから話し出した。
 「・・・・はい。えっと、その前に、清華は何か言ってました?失踪する前とか、失踪した後でも携帯電話は繋がってたんですか?」
 「それなんですけど、失踪した次の日に、向こうからメールが来て・・・。でもそれを最後にして電話が通じなくなったんです。あの、清華のメール、これなんですけど・・・。」
幸一が見せてくれたiphoneの画面には、宛名に清華の顔写真つきで
『当分会えない。理由は言えないけど自殺や犯罪じゃないから大丈夫。不本意に思うだろうけど私もそうだよ。落ち着いたら連絡します。』とある。
「清華のお母さんと相談して・・・・電話会社に問い合わせてみたら・・・、でも携帯は・・・やっぱり・・・一体どこに・・・・」
 私は幸一君の話を適当に聞き流し、自分の思考に没頭する。
 やっぱりそうだ。何でも自分の思い通りにしたがる清華は、恋人の幸一君に肝心な事を全く説明せずに姿を消した。文子が清華の体を元に戻すとも思えないし、多分、あんな見た目になってしまった清華はもう幸一君と付き合えない。言ってもつらいだけだろう。どうせ本当のことを言っても信じてもらえない。それなら・・・。
 私はこれから何を話そうか考えをめぐらせ、口に入れたジュースをごくりと飲みこむ。








 最終章:わたしの強くて素晴らしい精神




 私が居酒屋へ着くと、エリと文子が待っていた。エリは、葬式の様な服を着て通夜のように深刻な顔をしている。文子は私の聡明で整った顔から馬鹿を滲み出させたしまりのない笑顔で、ニコニコと席に座ってた。そして、二人ともよくよく肥えていた。
 私は万感の思いをこめて、二人を見下す。
 「久しぶり」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 最初に清華に会った時は、誰だか分からなかった。あの醜い文子が来るとばかり思ってたのに、黒いロングスカートと黒いハイネックセーターの怪しげで雰囲気のある女が来たからだ。モンゴル系の個性的なきりっとした顔だった。無言でしばらく見下され「久しぶり」と言われるまで、彼女だと気づかなかった。私はハッとなって、彼女の手を見る。黒い手袋ごしでも絆創膏で全部の指がボコボコになっているのが分かった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 私はさっさとエリの隣に座ると、「きゃー久しぶりぃ~。全然わかんなかったよぅ~!超痩せたじゃーん。」とわざとらしくはしゃいでみせる文子を無視し、この安い店の中でも一番高い酒と高い料理を大量に注文する。
 「・・・・すごい量だね、清華。これ、ぜんぶ食べるの?」
 私はエリの質問に適当にうなずくと、深々と腰を下ろし、煙草を吸った。エリがまた無駄な質問をする。
 「清華、タバコ、吸うんだ・・・。」
 「あんたさぁ、幸一と会ったでしょ?」
 私は煙を吐き、何気ない口調で訊いた。
 「え?いや、向こうから言い出したんだよ。別に、なんか。清華が心配でしょうがなくって、わざわざ清華の同窓生名簿調べて私に連絡してきたの。清華、ちゃんと実家に連絡してるの?声が変わっててもさ、親はちゃんと分かるから電話ぐらいしなよ。」
 「私さあ、あんたと幸一がマックにいる所みたんだよねー。あんた普段は着ないような、細めでヒッラヒラのワンピース着てたでしょ。まだ、この体になって最初の頃だったからこっちは太ってるわ醜いわで若干むかついたわ。」
 「・・・。」
 「馬鹿みたいにうれしそうに話てたし。しかも、幸一に変な話吹き込んで。私がウリやってるとか薬やってるとか嘘ばっか言ったんでしょ?あんたサイテーだね。」
 「ちが、違うよ。それは、幸一君が清華を忘れられなくて可哀想に思ったから、だから。私もそんな事言いたくなかったんだけど幸一くんのために、しょうがないでしょ。」
 「何言い訳してんの?無理やりメールアドレスも訊いて、どうでも良い内容のメール送りつけて、私をダシにしてもう一回会いたいって誘ったくせに。会ったら会ったで今度は映画いこうだとかしつこく迫ったんでしょ?馬鹿だね~。幸一が優しいから勘違いしちゃったの?キモいんだけど。」
 店員がお盆にのせられるだけいっぱいに、色鮮やかなカクテルやウィスキーを乗せて持ってくる。「こちら、ロックウィスキーとカシスオレンジとアイランドパンチとボトルワインでございます。ロックウィスキーのお客様~」私は目で合図をした。エリが呟く。
 「・・・なんで。」
 ウィスキーを手前に引き寄せて言った
 「だってわたし今、幸一と付き合ってるし。」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 私は次々と並べられるカクテルを見ながら、必死で考えていた。清華の言っている意味がよく分からなかった。付き合っているというのは、それは今の話なのだろうか。
「まぁ、もうすぐ別れるけどね。幸一、やさしくて格好良いけど頭悪いから。」
 私はあわてて訊く。
「え、でもなんで、無理でしょ。だっていくら幸一君でも今のその見た目じゃ、清華の事わかんない。」
「別に私だってわかる必要ないじゃん。最初は普通に会って仲良くなって惚れさせて、その後に、失踪した理由説明すりゃあいいのよ。嘘みたいな話でも私の事大好きだったら信用するでしょ。別に、知り合うのも惚れさすのもわけないし。あっちの事知り尽くしてるんだから。」
 続いて、料理が運ばれてくる。刺身の船乗りとアボカドサラダとローストビーフ、更にエビチリがテーブルに並べられた。清華は次々と大皿に直接箸をつける。今までで一番食いっぷりが良かった。私はそんな清華を呆然と眺め、自分の周りの世界がどんどん遠ざかっていくのを感じる。
 全ては清華の言うとおりだ。私は幸一君に近づくためにたくさん嘘を言った。ばれないと思った。私の嘘のほうが実際の話よりも何倍も真実味があったから、話しているうちに自分のほうが真実だと思うようにもなった。でも結局、清華と幸一君は、まじめな顔で嘘をつく私を二人で笑っていたのだ。どうしよう。消えたい。
 さらに馬刺しと海鮮鍋四人前がテーブルに並び、最後にデザートのミラクルトロピカルスペクタクルパフェが清華の目の前にドンっと置かれた。私は殻に閉じこもり、清華はひたすら食べ続け、文子は空気だった。
 一人食べ続ける清華に、このまま馬鹿にされたままでは帰れないと思った。私は触れないでおこうと思っていた事に、あえて触れた。
 「清華さあ、そんなに食べて、どうせ後で吐くんでしょ。駄目だよ。病気だよ。病院いったほうが良いよ。」
 清華の動きが一瞬止まった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 私はエリの言葉を聞き、本当にあきれてしまった。エリってやっぱり本当に馬鹿だ。世間の常識を世界の常識だと思てやがる。こいつは自分の頭を使って一ミリも考えてない事を正義だと主張して、ずうずうしく他人に押し付けてくる馬鹿だ。私は馬鹿が嫌いだった。とりあえず、笑うことにした。私はクスクスと笑った。エリが怒りを抑えた声で喋る。
 「何、何笑ってんの。私、清華が心配で真剣に言ってるんだよ。」
 「嘘。少しでも私の分の悪いところ、指摘したいから言っただけでしょ。」
 「そんな・・・。なんでさっきから私にだけ酷い事ばっかりじゃん!?確かに幸一君に嘘言った事は謝るけど、でもそれは本当のこといったら信じてくれないと思って、だから!だから言ったの!幸一君が清華の事忘れられなくて辛くなると思ったから、だからわざと悪く言っただけ!それだけ、だから・・・。っていうか、そもそも全部文子が悪いんじゃん!」
 私は、大きくため息をつく。今更幸一の事をだらだらと言い訳を並べるエリが、みっともなくて見ていられない。こっちまで恥ずかしくなる。
 「あーもういいよ、わかったから。うん。分かったから。別に私、あんたが嘘言った事怒ってないよ。」
 「じゃあ・・・。」
 私が更にエリを突き落とす言葉を続けようとしたとき、ずっと薄笑いを浮かべ黙っていた文子が、わざとらしく手を叩き私達の会話に割って入ってきた。
 「はいはいはぁ~い。ケンカは終わり終わりっ。ねっ。そうそう、全部悪いのは私なんだからぁ~。ほら、みんなの体元通りにするから、ねっ!はいこれ、水晶玉~。いえ~い。」
 私は確信する。文子も馬鹿だ。頭が飛びすぎてて人と交われない馬鹿。なんだ、私、今まで二人の馬鹿に付き合っいたのか。時間の無駄だったな。
 「もういいよ。別に。」
 「え?」
 文子が私の大きい目をさらに丸くして、馬鹿そうに首をかしげる。
 「なんで~。」
 「あんた私の体散々汚しまくってんじゃん。どうせ、梅毒とかエイズとか妊娠とかしてるんでしょう?都合が悪くなったら返すとか、ほんっとありえないよね。お前だけは絶対許さないと思ってたけどもうどうでもいい。もう、あんたと関わりたくない。あ~もう嫌だ。ちょっと。やめてよ。その汚い体で近寄らないでくれる?臭うんだけど。」
 文子もエリも黙っていた。まだまだ言い足りない事はあったが、これぐらいで良いだろう。最後の仕上げに私はゆっくりと立ち上がると、グラグラと煮立つ海鮮鍋の取っ手を持つ。エリと文子は不審そうに私を見上げる。そして私は「よっこいしょ」というかけ声とともにそれを文子に向けてひっくり返した。
 「キャァアアアアアア!!」
文子は胸から膝にかけて熱湯をかぶり、大声を出した。エリが慌ててテーブルにある水やカクテルを次々文子に向かってひかっける。コントのようで、おかしかった。食べかけの料理は海鮮の旨みスープに浸りきっていた。無事なのは私の近くにあったミラクルトロピカルスペクタクルパフェだけだ。
「ちょっとちょっとちょっと、清華!何してんの!なにしてんの?文子、文子、大丈夫!?」
エリはお絞りを持って「アツイアツイアツイアツイ」と騒ぐ文子に駆け寄る。
「私さぁ、この一年で思ったんだけどさぁ。本当に人間って外見じゃないよね。」
「え!?」
「外見なんて適当に吐いて運動すりゃあ、簡単に変えられるんだし、後は本当、中身だよ。だから、文子、ありがとう、この顔案外気に入ってるのよ。うざい親にはもう会わなくていいし大満足だわ。最初文子の体になった時は落ち込んだけど、私自身の頭の良さは変わんないしさ。体なんて関係ない。私だったら、どこ行ってもどんな体でも、絶対成功できる。」
「何いってんの!?そんな事より手伝ってよ!清華!」
「でも、あんた達は多分どこ行ってもどんな体になっても、絶対そのまんま、暗くて地味なまんまだよ。精神が弱いから。ふふ、いいや。じゃあね。もう会わない。」
 店員が雑巾を持って駆け寄ってくる。より騒がしくなるテーブルに背を向け、店を出た。
 
 
 外は、冷たい風が吹きつけている。いっそう強い風が吹き、反射的にコートを胸に寄せ集めた。絆創膏で太くなっている指が視界に入る。
 誰がなんといおうと、私はこれが病気だとは思わない。これこそ、精神が肉体に打ち勝った勲章なのだ。私は前を向き、黒いエナメルブーツで力強く地面を蹴り上げ、歩き出した。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 
 文子の火傷は、騒いだほどではなかった。なんとか飲食代は文子持ちになったが、掃除代まで今もってない貸してといわれ、しぶしぶ財布を開いた。文子の事だから、返ってこないことも覚悟だ。お金を渡すとき、文子は軽薄に「ありがとーごめんごめん」と言った後、とんでもない台詞を残して帰っていった。
 「それにしても、間違えるんじゃなかったなぁー」
 「はあ?」
 「いやぁ、わたしぃ、間違えちゃったーって言ってたじゃん?あれさぁー。」
 私は文子のもたついた喋り方にイラついて、棘のある声で先を促す。
 「で?」

 私はため息をついて寒い街中を歩き出した。
 体重は結局リバウンドで一年前より5kg以上太り、就職はまだきまっていない。一年前もそうだったしこれからもそうなのだろう。今まで自分の不運な境遇を呪ってきたが、それは自分の精神の弱さが生み出したものだと清華は言うのか。弱いという理由だけで、不幸な目にあうなんて、あまりにも酷いじゃないか。

 
 最後に文子は瞳をくるくるさせながら、不気味に微笑んで言った。
 「私の体をエリの体にしようと思ってたんだけどなあ」


 恐ろしい言葉だったが、案外文子みたいな訳の分からない人間がいるといいのかも知れない。私の行き詰まった人生も思いがけない文子の魔術で、突破口が開くかもしれないのだ。自分以上に悪い境遇、悪い肉体なんてめったにない気がする。今度誰かと入れ替わったら、身と同時に心も入れ替えて、もっと真面目に生きていこう。

 また文子に呼ばれる事があるかもしれないので、私はアドレス帳から文子の名前を消さないでおいた。











 おわり

小説書いたよ(*^▽^*)

今回は携帯から読むと、表示が崩れて意味が分からない部分がかなりあります。暇があったらPCから読んでください。


 第七章 鈴木さん(会社員)からの新着メッセージ



  差出人         件名             白白白受信日時 

   鈴木さん(会社員)  なんで連絡くれないの?白白白2010/10/23 9:12
   鈴木さん(会社員)  この前の娘に会いたい白白白白2010/10/23 1:20
   山城さん(公務員)  大丈夫ですか白白白白白白2010/10/23 2:23
   重三さん(自営業)  また会おうよ白白白白白白白2010/10/22 21:49
   eeee@yahoo.ho... 俺のチンコなめて白白白白白2010/10/22 18:36
   keisuke@ezweb... はじめまして白白白白白白白2010/10/22 13:07
   koitaku@goo.h... プロフ見ました~白白白白白白2010/10/22 11:56
   重三さん(自営業)  すっげー良かった白白白白2010/10/22 3:38
   鈴木さん(会社員)  超興奮したよ白白白白白白2010/10/21 23:12
   鈴木さん(自営業)  明日よろしく白白白白白白白白2010/10/20 1:20
   kidenori@hotm... ぽちゃな女の子大好きです白白白2010/10/19 3:33
   山城さん(公務員)  本当に良いの?白白白白白白2010/10/18 0:12
   pya@hotmail...   はじめまして白白白白白白白白白2010/10/17 22:37
   佐藤さん(会社員)  先日はありがとう白白白白白白2010/10/17 22:21
   fukusuke@ezwe... はじめまして! 白白白白白白白白2010/10/17 13:26
   keizo@hotmail... まずはメールから・・・白白白白白白2010/10/17 14:45
   鈴木さん(会社員)  21日はどう?白白白白白白白2010/10/16 16:24 
       ・
       ・
       ・
       ・


 画面を埋め尽くすタイトルから、文子が出会い系サイトを利用していたのはすぐに分かった。適当に即読のメールを開くと、「初めまして!プロフ見ました^^俺、女の子はぽちゃっとしてる方が柔らかくてかわいいし、むしろエリーゼさんの体型はモロタイプです(笑)仕事は普通のリーマンだけどネット副業でちょこちょこっと小銭稼いでるかな。車持ってるから遠出とかも任せて!まずはメールでもっとエリーゼさんの事知りたいな~と思ってます。気が向いたらぜひぜひお返事くださいな。」という様な、ありきたりな誘い文句が書いてあった。文子みたいなブスでデブな女も若いと言う理由だけで抱きたがる奴が出てくるのだから、世界は広い。
 様々な男達から届いたメールの件名を見ているうちに、私は嫌な予感がしてきた。文子と会ったのは21日の夕方だった。16日の「差出人:鈴木さん(会社員) 件名:21日はどう?」のメールから、文子は私達と会った後に鈴木さん(会社員)と会う約束をしていた事になる。そして、鈴木さん(会社員)は22日には超興奮したという感想をよこしているのだ・・・。鈴木さんは誰と何をして超興奮したのだろうか。その答えを考えて私は腹の底から気持ち悪くなってくる。私が恐る恐る清華が読んだらしい、直近2通のメールを読もうと思った時、ペロンという電子音と共に、鈴木さん(会社員)から、またメールが来た。

  差出人         件名             白白白受信日時 
 
 
   鈴木さん(会社員) 清華ちゃんとエッチしたい 白白白2010/10/23 15:21


  私がそのメールを開こうと思ったとき、清華が叫んだ。
 「見ないで!全部消して!消して!」
 「でも、この人たちに連絡取れば、文子と会えるかもしれないし・・・。」
 「やめて!誰とも会いたくない!やだ!やだやだやだ!絶対ヤダ!消して、けしてよ!!」

 私は「分かった」と答え、その鈴木さん(会社員)のメールをこっそり読んでから、メールを全て消してパソコンを閉じた。
 
 そして清華はひたすら泣いていた。ただただ泣き続けた。私はその間、慰めの言葉も思いつかずボーっと横に座っていた。日も傾き、清華が泣く力が尽き果てそれでも気力で泣き続け私はお腹がすいてきた頃、文子の母親が帰ってくる気配があった。しばらくすると下品なだみ声で「ふみこぉおー?かえってんのぉー!?」という声がしてくる。私がそろそろ清華に話しかけようかと思った時、清華が呟いた。
 「帰って」
 「・・・・・。」
 私はどうして良いか迷い、とりあえず確認を取る。
 「でも、本当に良いの・・・?清華大丈夫?」
 清華は、途切れ途切れに、か細い声で声を出す。
 「いいよ。エリだって、本当はもう、面倒くさいん、でしょ?いいから。帰って、いい。」
 そんな事ない。清華が心配なの。また来るから。相談に乗るから。そう言おうかと思ったが、止めた。それが私の本心でない事を、清華は分かってる。私は静かに立ち上がった。
「・・・・じゃあね。」
 そういって部屋を出て、最後にドアを閉めようとした瞬間、それまでうつむいていた清華がこちらを見た。赤く腫れた一重まぶたの隙間から覗く、真っ黒な瞳が私を突き刺す。
 私は急いでドアを閉めると階段を駆け足で降り、文子の母親への挨拶もそこそこに家を出た。
 
 
 大通りに出ると、私はゆっくり深呼吸をした。久しぶりに新鮮な空気を吸った気分だ。もう二度と彼女達には関わりたくない怖いし。それが今の私の本心だった。






続く




実は次で最終章なんです!表示見苦しくって内心不満!ブログだとレイアウト逆に難しいね!自分のホームページだったらいろいろ出来るんだけどね!しょうがないね!あと書いてて思ったんですがこの小説はジャンル分けするとホラーですよね!

小説書いたよー(≡^∇^≡)

もうすぐ終わるよ~(‐^▽^‐)







 第五章 入れかわり立ちかわり

 私と清華が二週間前と同じ居酒屋に到着すると、前と同じ座席で同じ服を来て顔面を笑顔にした文子が待っていた。早く来て二人で文子を万全の体制で向かえ撃とうとしていたのに、先を越されてしまった。
「おっ二人とも早いじゃん♪まだ30分前だよぉ~。ビックリしたあ。どうだったあ?この二週間~。なんか清華すごいねぇ!痩せちゃったねぇ!すごっく可愛くなったあ。すごいすご~い。なんでなんでぇ~?」
出会い頭からペラペラと喋りまくる文子とは対照的に、私達は静かだった。いざ文子を目の前にするとその蕩けた笑顔が不気味で恐ろしくなり、下手な事をするのは極力避けたいと思ったのだ。テーブルについた清華は「ストレス」と不機嫌に答えたきり頬杖をついて、時々舌打ちをつく以外音を発していない。私はといえば、そんな清華を横目で見ながら改めて自分の体がひとまわり小さくなっている事に感心していた。体が元に戻ったときに体重も減っているなんてラッキー。痩せてメイクも頑張れば、そこそこイケるかもしれない、とつらつら考える。
 「ねぇ話とかどうでもいいから、早く元に戻してよ体。もうそれだけやれば後はいいから。もう、いいから、早くして!」
清華のいろいろな感情を押し殺した厳しい低音に、それまで続いていた文子のどうでもいい話と私の思考は停止した。
「え~まだ約束の時間よりだいぶあるしもっとはなそうよぅ~。え~。まあわかるけどお~。うん悪いと思ってるけどぉ~。うんもう、ああん清華ごめんごめんわかったからぁ、そんなに怒らないでよう。ごめんって。うんじゃあちょっと待ってね待っててねぇ、今あれ出すからあ・・・。よっこいしょおっと。」
 ひととおり渋って清華をイラつかせた後、文子はあのでかい水晶玉をスポーツバックから取り出した。
「さあどうぞ。」
 テーブルの中央で、球体が安っぽい光を放つ。
 無言でその玉に手を伸ばす私達を、文子は口角をさらに押し上げて笑った。



 
 それから私は元の体に戻って、清華と一緒に夜の住宅街を歩いている。私と清華は黙っていた。ただ、清華があまりにも可哀想だった。隣の清華をチラッと見て、さらにいたたまれない気持ちになる。私は清華を好きじゃないと思っていたけれど、これだけ同情してしまうのだから、やっぱり好きなのかもしれない。
 「ねぇ、清華、大丈夫?」
 清華は答えない。腰を丸めて地面を見ながら小幅で歩いている。たぶん体がいきなり大きくなって歩き方が分からないのだ。今度ばかりは私も安易に慰める気持ちにはならなかった。文子はあの後、怒り狂う清華を無視してゴキブリより速いスピードで逃げてしまった。去り際に「じゃあ二週間後ねぇ~」と言い残したが、全く信頼できない。
 「私の家、泊まる?」
 清華はかろうじて聞こえる声で何か答えた。これ以上会話をするのは無理だろう。私はため息をついた。

 果たして、清華の体が元に戻る日は来るのだろうか。もし、このまま清華の体と文子の体が入れかわったままだったら、どうすればいいのか。私に責任はないけれど、この罪悪感はなんだ。





第六章 文子宅にて

 三日経っても清華の家にも文子の家にも、文子は戻らなかった。文子を捕まえる手がかりを探すために、清華と私は文子の家に行くことになった。
 同窓会名簿に書いてあった文子の住所には、狭くてぼろい一軒家があった。文子は親と同居していたが、家の中には誰もいなかった。電話で清華が帰ると言っておいていたので、鍵は開いている。左右に揺らしながら引かないと空かない引き戸を開け、中に入ると、暗い玄関には獣臭いにおいが充満していた。清華は顔をゆがめて無言で廊下を突き進む。油っぽい台所、狭いリビング、仏壇の置いてある和室を通り過ぎ、二階に上がった突き当りの部屋が、文子の部屋だった。ハート型の「fumiko's room♥ don't enter! kill you!」という板が掲げてあったので分かりやすい。
「何この英語きもい」
清華はそう呟くとドアを開けた。

 部屋の中は予想通り、服やマンガや食べかけのポテトチップスが散乱していて汚かった。骸骨と水晶玉もいくつか床に転がっている。洋服を踏みながら進むと勉強机の上にノートパソコンがあった。清華は無言で椅子に座り、パソコンをいじり出す。私はやる事もなかったので、その後ろに腰を下ろして、辺りを物色した。
「ほんっと、この部屋ありえない。マジむかつく。ありえない。むかつく。何でこうなるのよ、マジむかつく。」
 清華が文子の低い地声でぶつぶつ呟くと、本当に気持ち悪くて怖い。私は以前から気になっていた漫画を見つけこの状況を忘るために読みだした。
「あっ、そうだエリ。私、ここ住むかもしれないし。掃除しといて。」
物語が面白くなってきた頃、清華にそう言われて反論しようとしたが、彼女の剣呑な目を見ると言葉が出ない。一番可哀想なのは清華だからこれぐらいの苦労は代わってやろう。私は重い腰を上げた。


 コンビニで買ったゴミ袋に手当たり次第に床に散らかっているものを詰め込み、ドアの外に置く。結構な重労働で、手伝ってくれないかと何度か清華の方を見る。清華はずっとパソコンの前に張り付いたままだ。ゴミ袋がいくつか満杯になったので、私はこれみよがしに大きくため息をつき、「ゴミ捨ててくる」と言って家を出た。ゴミ捨て場に適当にゴミを投げ終え、家に戻って一階で掃除機を探し当て、納戸の置くから引っ張り出し、急な階段を上がって、重い掃除機を運び、文子の部屋にたどり着く。私がいろいろと動いていた間にも、清華はずっとパソコンの前に座っていたのだと思うと腹が立つ。私が茶色いドアを乱暴に押し開けると、意外にも清華は、大きい体を縮こまらせて、シクシクと泣いていたのだった。
 「・・・どうしたの、清華。何かあったの。」
 これ以上泣く様なことがあるのか。私は嫌な気分になる。清華は泣きながら、パソコンを指で示した。画面を見ると、メールボックスが開いていた。仕方なく読んでみると、中には恐ろしいやり取りが繰り広げられていた。

小説書いたよ!その5(=⌒▽⌒=)

あーもうはやくおわんないかなぁo(^▽^)oながいよ~。何章で終わるかわかんないけど今折り返し地点は過ぎたと思うの!多分!




第四章 福音 


 二週間の間、携帯電話の着信は全て拒否していた。連絡はメールだけだ。でも彼氏の幸一は、それだけで納得しなかった。かと言ってどうしようもなく、会えない理由をだらだらと書いて送信していたが、ついに彼は私の自宅まで押しかけてきたらしい。今朝、慌てた様子でエリから電話がかかってきた。
 「清華どうしよう。さっき新聞取りに行ったら、なんか清華の知り合いが来ててさあ。うん、髪長めの、男の人。・・・あれさ、彼氏?あーーっ、やっぱりそうだよね彼氏でしょう?けっこうカッコイイじゃんいいなー。え?いや、もう分かんなかったからちょっと着替えるから待っててって言ったよ。・・・わかった。適当にごまかして帰すね。わかったわかった。もう、大丈夫だって。わかったから。そんな、心配しないでよ。じゃあねー。」
 私は何度もエリにすぐ帰すよう念押しをして携帯を閉じたが、幸一の顔が頭から離れなかった。幸人が心配を通り越してふてくされていないだろうか。エリは幸人に変なことを言わないだろうか。幸人に触ったりしていないだろうか。私はいてもたってもいられず狭いアパートから飛び出した。


 案の定、自宅の前には、抱き合う恋人同士の姿があった。私は全力疾走のために荒れた息をなんとか抑え、渾身の力を込めてクソ女の本名を腹の底から叫ぶ。
 「エリィ!!!」
 「ええ!あっ!」
 二人は驚いて離れ、懐かしい私の幸一は、今まで見せた事の無い不快そうな表情を私に向けた。クソ女はしどろもどろになっている。
 「もう何してんの?彼氏とイチャつくのはいいけどさ、私、今日そっち行くって言ったじゃん!もしかして予定ダブらせたの?私の約束はドタキャンで彼氏とデート!?」
 「すいません!おれが悪いんです。突然押しかけちゃって。大丈夫っすよ、すぐに帰りますんで。どうも失礼しました。じゃ、またね。」
 幸一はそう言って最後に甘い視線をエリとからませ、立ち去った。私はその間、二人を締め上げ、コンクリートに叩きつけ、均等に平たくなるまで踏み潰す想像をして凌いだ。残ったエリはいかにも申し訳なさそうな顔をしてうつむく。
「・・・・ごめんね清華。いきなり清華の彼氏が抱きついてきてさ、突き放せなくって。」
 私は答えの代わりに、自宅の鉄門を二人だと思って全力で蹴った。
「その体、わたしのだから。」
「・・・ごめん。」
「もう明日でさあ、二週間なのにさぁ。文子から連絡ないってさぁ!なんなの!」
 更に鉄門を二度、三度と蹴り続ける。
「・・・めん。じつ・・・はさ・・。」
 ガンガンという音でエリの声はかき消された。 
「あぁ!?」
「・・・実はさ、昨日文子からメールが来て、明日会いたいって・・・。」
「何でもっと早く言わないの!?」
 私がとどめの一発を鉄門に与えると、ガタンッと景気のいい音をあげて門が傾いた。









小説描いたよ!その4(=⌒▽⌒=)

 ちょっと9月忙しくて何も書けませんでした!改めて死ぬほど恥ずかしいのをこらえてこの小説を読み返したんですが、案外読めるものですね!(=⌒▽⌒=)
 今回、書くの忘れていた事を書いているって前提で話を進めているのでおかしい所があるけど、気にしないと思いますけど別に気にしないでください。





 私がテーブルに着くと、白いエプロンをつけた清華ママは嬉しそうに笑い、まずは私の服装を褒めちぎった。
 「あら、清華ちゃん。今日もかわいい服きてるじゃない!それだいぶ前にママと一緒に買った服でしょう。やっぱり清華ちゃんはかわいいから何でも似合うわよね~!ママ羨ましいわぁ。」
 食卓には筑前煮、かぼちゃの煮つけ、サラダとヘルシーな料理が並び、更にひじきご飯と焼き魚もある。ただ、清華ママのものに比べこっちに並んでいる料理は盛り付けが三分の一で、不満だった。
(でもこんな品数普段だったら食べられない。味付けはちょっと薄味だけど、出汁が利いてて美味しいし、まあ良いか。)
などと考えながら、私は黙々と箸を進める。清華ママは最初ぺらぺらと喋っていたが、私が料理を食べ終わる頃になると、黙りこんでいた。私は不審に思われたのかと慌てて顔をあげた。
「あっ、ごめん。今日体調わるくって。元気ないんだ。」
「そうなの?清華ちゃんいつも元気ないからママ心配してたけど・・・。ねぇ、ご飯おいしい?」
「うっうん!すごくおいしいよ!・・・ママ。」
「本当に!本当においしいの!?ねぇ、まだ沢山おかわりあるからっ。いる?いるでしょ?清華ちゃんいるでしょう?」
「うん。いるいる。ありがとー。・・・ママ。」
私がマを発音するかしないかのあたりで清華ママはご主人を出迎えた子犬の様に全身で喜び、すぐに台所へ引っ込むと、テーブルの真ん中にどんっと鍋を置いた。
「まだまだあるから!まだまだあるからいっぱい食べてね!後ね、清華ちゃんが嫌がると思って出さなかったけど、お肉もあるのよ!これねっ筑前煮に入ってた鶏肉ね!あ、勝手に料理にお肉入れたこと怒らないで・・・。ママは清華ちゃんのためを思って入れたのよ・・・。だってあんまりにも栄養とってないでしょう?あっ、ごめんね、今ひじきご飯も出すからね!待っててね!ね!」
私は出されるがままに料理を食べ、最後のデザートを食べる頃には胃の限界を超えていた。清華の体はあまり食べ物を入れられるように出来ていないのだ。私は体の不都合を悔やみつつ、ハーゲンダッツを食べる。清華ママはその間涙ぐみながら、ひたすら私を見つめていた。
「どうしたの・・・ママ。大丈夫?」
 気味悪く面倒くさかったが、仕方なく私は清華ママに聞いた。
「ううん。なんでもないの。なんでもないのよ。・・・ねぇ清香ちゃん、トイレ。行かなくて良いの?」
「トイレ?いや、今は特に、用ないかなー。うん。でも本当にママ、大丈夫?」
「ううん。だって・・・だって・・・。ママ嬉しいんだもん!!」
清香ママは一声そう叫ぶと、勢いよくテーブルに突っ伏して泣き崩れた。
「だって・・・!ううっ、ママね!ずっと、清華がね!食べないの知ってたしぃ!知らない、ううっううっ知らない振りしてたけどぉー。トイレで、トイレでぇー!」
清華ママはそれから延々、泣きながら喋っていたので、ぎこちなく私は慰めた。肩を優しく撫でるとそれがより彼女の涙腺を刺激するらしく事態がより悪化してしまう。私はとうとう見切りをつけ、泣き続ける清華ママを置いて二階に引き上げた。


 私はベッドに寝転がり、タコだらけの指を蛍光灯をかざしながら、清華ママの言葉を反芻する。
 『トイレでぇー!ずっと吐いてたのぉー知ってたからあーー。』

 「清華は吐いていたんだ・・・。」
 
 トイレに顔を出してウェーウェー呻いている清華を想像する。そして私は美しい指にポコリと突き出た吐きダコをさすり、微笑んだ。なんて醜いの清華。






小説書いたよ(≡^∇^≡)その3(全4編の予定だったけどやっぱり全6章)

も~さくさく書くよ~。ど~でもいいからさくさくいくよ~(=⌒▽⌒=)





第三章 三日で慣れる


 午後に向かったエリのアパートは、古くて狭くて雑然としていた。部屋はそこそこ整理されていたものの、インテリアは妙にかわいい花柄のカーテン、水色の安っぽい本棚、薄汚い壁につるされた洗濯物などと、統一感がない。二週間だけとはいえここで過ごしたら、こっちの精神まで地味になりそうだ。私はインテリアにはすごく気を使うほう。日々センスの良いものに囲まれていないと、センスの良い人間にはなれない。地味な物に囲まれている人間は、人間性まで地味になってしまうのだ。
 「あと、ゴミのカレンダーはこれね。明日は生ゴミだからこれ捨てておいて。洗濯物をかけるハンガーとかはそこに置いてある。スーパーは、ここからガソリンスタンド曲がって、坂のぼった所。」
エリはそういったどうでも良い事を伝えると、さっさと私の家に帰っていった。そうなのだ。あと二週間、この生活臭漂う地味で狭いアパートが私の家。ソファベッドの横にある鏡を見ると、茶系のだらっとした服を着た猫背で一重のパッとしない女が写っている。こんにちは、私。これからよろしく。もちろん、短い間に決まってる。


                     ※



 清華がものすごく不機嫌だったのは分かっていたが、私は知らないふりをした。現状はこうするしかないし、そもそも私は悪くないのだ。清華を自宅のアパートに適当に案内すると、すぐに別れて駅に戻った。はやく駅の中にあるかわいい洋服屋に行きたかったから。花柄や小鳥モチーフがとても素敵なデザインなのだ。すごく好きなのだけれども、体の線が出る服が多く今まで諦めていた。でも、この体だったら、着れる。

 家に帰ると、私は真っ白なベッドの上に買ったばかりの服を並べ、着せ替えをしまくった。鏡に映る自分の美しい姿には本当に、惚れ惚れする。内側に軽くカールして楽しげにはずむ髪、柴の子犬と同じくらい愛らしい顔、お姫様より細いウエストに、折れそうな太もも。(本当に太ももが折れそうなのだ)ちょっと細すぎとも思えるけれど、やっぱり服は細い体に似合う。
 更にクローゼットを開けると、色とりどりの多種多様な服がずらっと並んでいた。私は嬉しさのあまり悲鳴を上げた。人生で着た事の無いピンクのレースが沢山ついた服を素早くつかむと、自分の体にあててみる。華やかに笑う鏡の中の私は、まるで雑誌モデルのよう。この体も二週間だけなのだ。ならば思う存分楽しまなければ、損ではないか。私が色々なポーズを取りながら洋服をとっかえひっかえしていると、階下から清華の母親の呼ぶ声がした。
「清華ちゃーん、ご飯、出来たわよー。食べるでしょう?」
「はーい!」
 私は陽気に返事をすると、この体に一番似合うミニのワンピースを着てダイニングへ出た。





つづく


第三章はまだこれからもつづきます!同じ記事内で続き書いたらまたアップしなおします!
あと張ろうと思って忘れた複線が一本あって、それはもうこの小説のテーマ的な哲学的なフィロソフィー的なものを現す象徴的な一本だったんだけど、始めのほうに張りなおすのも面倒なので全部無かったことにするかも(‐^▽^‐)あっでも複線張ったって事にして話進めちゃおうかな!うん!そうするかも!




















小説書いたよ(≡^∇^≡)その2(全4編)

ながいな~( ̄▽ ̄)=3うむ。五章ぐらいになりそうだわぁ(>_<)


二章 転換




 私と清華が水晶玉(でかい)に片手を乗せると、文子は両手でそれを押さえつけ、今まで聞いた事のない低い声で呟き始めた。
「ちがうちがう・・・うんうんそれ・・・うん・・・・あーあー、テストテスト、はい北から見えるお代官様よりにウィンカー出してくれますくれます・・・そうですそうです・・・」
何者かと念仏のような会話をしている文子があまりにも薄気味悪かったので、私は水晶玉(でかい)から手を離そうとしたが、上から強い力で押さえつけられているので出来ない。清華がたまらず声を上げる。
「痛い!ちょっと文子、てぇ離してよ!」
「いいですはいはいみえますいけますみえますはいはいはいはいくいくくるいく・・・よーちゃん!・・よーちゃん!・・はいはいはいはい!」
「手ぇ離せっていってんでしょう!?話きいてんのかテメェ!」
清華が立ち上がって大声を出した瞬間、店内が突然静まり返り、暗転した。

「あれぇ?失敗しちゃったあ。」

 文子の高い声が聞こえる。



                    ※



「あれぇ?失敗しちゃったあ。」

 立ちくらみでよろけた体を、テーブルを掴んで支え、私は前のめりになって文子を睨み付けた。
「失敗しちゃったあ☆じゃねぇよ、痛えよデブ!そこはごめんなさいだろあんたやっぱりおかしいわ人の時間取っておいて薄気味悪いんだよこの豚!」
 ただ軽く怒るだけのつもりだったのが、予想以上に勢いづく。さっきの薄気味悪さや今も感じる違和感を打ち消すように、私は困った顔をしている文子を口汚く罵った。急に静かになった店内は、また元の賑やかさを取り戻す。
「ほんっと、意味わかんない。こっちまで気分悪くなってきた、どうしてくれんの!?」
 誰かが私の右手を強く掴んで、制止した。手元を見ると、美しいピンク色のネイルが右手の皮膚に食い込んでいる。
「もう止めなよ!ねぇ、座ろう。座って落ち着こう。大変な事になっちゃったんだから、分かるけど、ねぇ、落ち着かなきゃ・・・。」
 私を止めたのはエリではなかった。厚化粧をした美しい女だった。私にそっくりの。
「あんた誰だし。」
「あははははは、だよね。そう思うよね。私だよ。杉崎エリだよ。意味分かる?私達・・・・。」
 真っ黒い睫に縁取られた大きな瞳から、ボロボロと涙がこぼれる。テーブルに置かれた目の前のカシスウーロンに呆けたエリの顔が映っていた。私が口を閉じると呆けたエリも口を閉じる。私達は、入れ替わってしまったのだ。



                    ※



 とりあえず清華の家に行くために、私達は並んで夜の住宅街を歩いていた。道には猫以外、誰も歩いていない。私は必要以上に明るく清華に話しかけた。
「清華、実家暮らしなんだ。いいよねー。家事とか全部やってくれるのって超ありがたいよね。」
 私の姿をした清華は不機嫌そうに黙り込む。
「確か兄妹いないんでしょ?それでお父さん単身赴任だし、もう楽勝じゃん。二週間ぐらい余裕でしょ。」
 私はこの機会にまじまじと自分の姿を観察し、思っていた以上に太って見えることが分かりショックを受けた。
「・・・・・あ。そうだ。忘れてたけど、清華、彼氏大丈夫?これから会う約束だったんじゃないの?」
「そんなの・・・嘘に決まってんじゃん。」
清華がやっとぼそりと呟いた。
「え?彼氏が?」
「はぁ?ばかじゃねぇの。」
 自分の姿をした清華が一重まぶたをさらに細めて私をにらみつけた。不細工だった。
「ごめん」
 清華は盛大なため息をつき、足を止め、そして頭を抱えしゃがみこんだ。
「あーーーーーーーー!!!どうしようどうしようマジやばいマジやばいありえないんだけど。どうしよおおおー。もうやだ。はい、もーヤダ。もーヤダ。・・・・・・・ねぇ、これ元に戻んなかったらどうしよう、どう思う?ねぇどう思う?あのデブは二週間で戻すって言ってたけど本当だと思う?嘘だったらどうしよう、ほんとにどうしたらいい?どうすんの?」
「うん、うん。大丈夫だから。文子、嘘をつくような子じゃないから・・・。」
 私は清華のとなりにしゃがみこんで、小さく震える背中をなでた。清華を慰めながら、大丈夫だといいながら、私も清華とまったく同じ気持ちだった。

 あの後、文子は「ごめんごめん、本当にごめんねぇ、本当に入れ替えるつもりじゃなかったのお。絶対戻す!絶対元に戻すって、本当だから信じてよお。うん、大丈夫大丈夫。二週間!二週間ちょうだいっ!ちょっと準備がいっぱいあってさぁ、絶対大丈夫だから!うん、じゃあ私これで帰るねぇ。今から急いで準備するから、うん!そん時はこっちから連絡するよお。またね~。」と言ってどこかへ消えてしまったのだ。

 「とりあえず、今日は清華の家に泊まって、二週間どう乗り切るか相談しよう。悩むのはそれからだよ、ね?」
 自分に言い聞かせるように言った私の言葉に、清華はこくりと小さく頷いた。




 そうして、清華は家に帰ってベッドに入るまで散々文句を言っていたが、部屋を暗くすると私より早く寝入り、朝は私より早く起きてヨガをやっていた。まぶしい朝日を背に体を曲げている姿は、神々しくもあった。
「・・・・おはよう。」
「おはよー。エリ朝弱い?起きるの遅くない?」
 床で寝たために痛む背中をさすりながら、私は清華を眺めた。やっぱり私の体なので、思うように曲げられないらしい。立派な足を必死に体に近づけながら、清華が言う。
「エリさー。体硬いよ、もう、ぜんっぜんポーズ取れないしさぁ、おなか周りとかけっこうやばくない?もう少し気をつけたほうがよくない?」
 私は最早謝るのが面倒だったので、話題を変えた。
「それで・・・、清華、これからどうするの。」
「あぁ、それなんだけど。そうだね、ちょっと書くもの用意して。あ、そこに置いてある。」
「うん。」
 私は大きく伸びをした後、ピンク色の猫足のついたテーブルからメモ帳とペンを取り出す。私がゆっくりと動いている間に、清華はいつのまにか服を着替え、自分の手帳を取り出していた。
「じゃ、とりあえず二週間の私のスケジュール言うから、エリでもこなせそうなのあったら言ってね。」

 清華は二週間の綿密に組まれたスケジュール(バイト、講義、デートと飲み会、更に各種自己啓発群)だけでなく、日々の注意点と必要運動量と禁止事項と毎日の報告事項まで並べ立てた。それにしても、スケジュールから伺える清華の生きるモチベーションの高さは、私のものとは比べ物にならない。私は自分が惨めに思えてならなかった。



つづく!



 








小説書いたよ(≡^∇^≡)その1(全4編)

 文化祭で漫画を出品する予定なんですが、その準備に小説を書きました。(=⌒▽⌒=)漫画にする事が前提の作品なので多少読みにくいですが、暇だったら読んでください。この小説では一人称で語り手二人が順繰りに交代する感じでーす。てきとーに書いてく系でーすヾ(@°▽°@)ノ絶対に終わらせたいと思いまーす。


序章 思い入れは三様の中学生時代



 今朝、中学校の同級生エリから連絡が来た。久しぶりに三人で会わないかとの事。
 卒業以来会ってない様な三人だ。大した思い入れは無い人達だけれども、あの頃のみじめな自分とは別人の、今の私を見せつけてやりたいと強く思った。他の二人は変わったのだろうか?七年もたって変わっていないはずは無いが、私以上に恵まれた環境には居ないだろう。
 私は、エリ達に会ってやることにした。

                      
                    ※



 私がチェーン店の居酒屋に着くと、案内された薄暗い席には陰気な顔をした女が座っていた。大きな体を少しでも小さく見せる様に、腰を丸めている。文子だ。彼女は変わっていないどころか、中学校の頃よりも太っていた。私は安堵と嫌悪を隠すように、明るく彼女に話しかけた。

 「文子、遅れてごめん!それから、久しぶりー!かわってないじゃない。あー。清華まだ来てないんだ。」
 女は顔をぬっと上げて、無表情に、しかし見た目とは裏腹の可愛らしい声で答える。
 「遅いよお、エリ。清華もまだ来てないしさあ。ちゃんと清華に連絡してくれたあ?」
 「したした。けっこうノリノリな感じだったけどなー。」
 「清華さあ、うちにはアド変教えてくれなかったからさあ、連絡取れなかったんだよねっ。別にいいけどさあ。でも二人とも遅すぎるんだけどお。」

 私は会話をしながら、本当に文子は変わっていないなと思った。話し方と服装だけは、とても女の子らしいのだ。七年間、それだけは止めたほうがいいと誰も文子に言わなかったのだろうか。
 「あの子めんどくさがりだからじゃん?まぁ、適当にまってたら来るって。」
 私がそう言って文子の向かい側に腰を下ろした時、香水臭い女が私たちに近づいてきた。
 「ねぇ、エリ!分かる?私だよ私。久しぶりー。」

 香水臭い、華やかで、細く、美しいその女は、清華であった。



                   ※


 店員が、カシスオレンジとカシスウーロンとウーロン茶を運んで来る。
「かんぱ~い!」
私は、ピンク色のネイルとカシスオレンジのコントラストに見惚れながらグラスを持ち、少しだけカクテルを口に含んだ。隣に座ったエリが話しかけてくる。
「清華すごい変わっちゃったね。最初見たとき、わかんなかったな。すごいかわいいし、本当にすごい。」
「そんなに変わったかなあ。久しぶりだからそう思うだけだよ。それに、エリだって中学の頃より垢抜けてる感じじゃーん。」
「当たり前でしょ。高校大学と行ってれば、多少垢抜けざるをえないじゃない。」
エリがきつい口調で言い返したのを、私は気づかないフリをした。
「ざるをえないとか、その言い方うけんだけどー。あははは。」
文子も私にあわせて「きゃはははは!」と笑う。場違いな文子の笑い声は、癪に障った。

思ったとおり、この飲み会には得るものなど何もない。地味でつまらないエリとデブで醜い文子。この二人に私が会う時間を割いてやったのは間違いだった。適当に切り上げて、もう二人には二度と会わない。私がそう心に決めた矢先だった。

「じゃあじゃあ!本題に入るよお。みんなに集まってもらったのはあ、ちょっと試したいことがあったからなんだあ。」
文子は鞄からでかい水晶玉を取り出して、そう言った。


                   ※


 文子がでかい水晶玉を取り出してすぐに、清華が整った眉を歪めて言った。
「なにそれ?時間かかんの?私今日あんまり時間ないんだけど。」
あ、こいつもう帰る気だな、と私は思った。中学の頃、清華は私たちと一緒に居る事が不満そうだった。清華の性格があの頃のままならば、今も長くこの場には居ないだろう。
「清華、この後予定あるの。電話では大丈夫って言ってたじゃない。」
「あ~、ちょっと彼氏がさー、急に会いたいっていいだしてさあ~。私ももっと居たいのは山々なんだけどさ、ごめーん。」
すぐにでも帰りたそうに彼女はバッグを持って言う。そもそも何で清華は私たちに会おうと思ったのか疑問に思った。
「そんな時間かかんないから、大丈夫!ね!すぐすぐ!三分で終わる!ね!」
文子が更に文句を重ねようとする私をさえぎる様にして言った。
「本当にすぐ終わるの?マジで時間ないんだよね、私。」
「うん、ダイジョーブダイジョーブだよお。」
清華は不服そうに、席に落ち着く。文子は満足そうに水晶玉をなで、話を切り出した。
「・・・えっとお、試したいっていうのはね、占いの一種何だけど、あ、そうだ!みんなもう就職は決まったあ?」
「当たり前じゃんもう夏だし。」
清華はすばやく答え、私は歯切れ悪く
「うんまあね。」
と応じた。清華はニヤニヤしながら私を見る。
「ねぇ、エリどこ決まった?私は山下銀行なんだけど、第一落ちちゃってさー。マジで。エリはどこどこ?確か文系だよね、大学どこだっけ?」
「え~、大学も就職先も恥ずかしいから答えらんないな~。文子はどこに決まったの?」
本当は決まっていなかったので、私は話を文子に振った。文子は待ってましたと言わんばかりに微笑んだ。
「私ねえ。占い師になるの!だから、今日からやる占いの練習、付き合ってねえ。」
私たちは痴呆的に笑う文子を見る。清華はわざとらしくふきだした。
「占い師って・・・!マジで!?うける・・・。うわー、文子すごいわ、応援してるわ。」
「ありがとー、それじゃあ早速。二人ともこの水晶玉に手を載せてくれるう?」



                   ※



 私は今でも、エリ達と会った事を、あのでかい水晶玉に手を載せてしまった事を、後悔してる。文子に会ったのはやはり間違いだったのだ。文子が私達に対して何も思っていないはずはないのに、彼女を侮っていた。悔やんでも悔やんでも、自分の馬鹿さかげんに腹が立つだけ。後悔するのは、もうこれで最後にしよう。










つづくよ!






卒制が決まらない

 この前は、予備校の友達と久しぶりに会いました。あまり喋らない人達なので、これで良いのか不安になってべらべら喋ってしまい、喋るつもりの無かった卑猥な話を沢山してしまいました。あれで良かったのでしょうか?後悔してます。
 彼女たちの中に、初対面の子が一人居て、花ちゃんというその子とはかなり仲良くなれた気がします。
私の「本当に表現したいことって中二病だから、大学では猫かぶった表現の作品を出すよね」という話にいたく同意してくれたので、とても良い子だと思ったんです。

 表現という言葉に含まれるいやらしさというかコイツ何言ってんの感は無視して話を進めますが、私、美術大学言ってるので卒業するためには何かしら自分を表現して作品つくらなきゃいけないんですー。そもそもそういう大学だって知ってて入学したんですが、いざ表現をしてみると案外自分大したことないなっていうか掘っても掘っても底に何も秘めてねぇなという思いに行き当たってしまいましたー。どうしたら良いでしょうかー?
1、やめる
2、続ける
の二択しかないんですけど、やめたら卒業できないよねー。それで私は上述の思いに至った訳なんです。要するに「私の本当に表現したいことってー、やっぱり中2的な感じでー一部の人間にしか分からないような非普遍的な視点の物しか作れないんだけどー、でもそれだと教授達が意味フってなるから猫かぶった作品つくるじゃーん、それはまあまあ褒めてくれるんだけど、でもそれって本当に作りたいものでもないから、卒制やる気しないんだよねー。」という訳なんです。

で、周りを見渡してみますと、案外みんな好き放題意味不明な表現をやっている。隣の教室の木元君なんて、幼女がおちんこをこすり合わせている絵を作って「これちんこ展に出すんだー」などとおっしゃっる。お前そんな絵描いてて恥ずかしくねーのよく往来歩けるな、とも若干思いますけれど、やっぱり、それってすごい事だと思うんですよ。

  あんな、ちんこな絵を、顔色変えずに描けるって、すごい!

実際自分の表現したい事がおちんこ的な事だとしても、それを100%表現しきる事が大事なんですね!

それでまぁ、私の本質は何かと自己探求を進めた結果、私の本質はええかっこしぃじゃないかと思い当たり、それじゃあ卒制もええかっこしぃなの作るしかないよね、だいたいおちんことかお下品な絵描いたら往来歩けなくなっちゃう!っていう性格なんでもー卒制決まらない!

こんなに卑猥な話いっぱいしちゃって、ごめんね~。