「アベンジャーズ」感想【ネタバレ若干】 | カキオキ

「アベンジャーズ」感想【ネタバレ若干】

アベンジャーズ」感想。
終盤の市街戦はかなり面白いけど、中盤までは意外と台詞が多くて中々退屈。
100点満点で70点です。

マーベルコミックスのヒーロー7人が力を合わせて悪に立ち向かう映画。

僕のこの7人に対する知識は「インクレディブル・ハルク」「アイアンマン」「アイアンマン2」を観て、後はカプコンの対戦ゲームを少しだけプレイした程度で、「マイティ・ソー」と「キャプテン・アメリカ」は未見。
以下、僕のアベンジャーズリテラシーが不足しているのは認めますが、「日本よ、これが映画だ」と謳うのであれば、予備知識など当然不要で楽しめなければならないわけで、当然こちらとしてはそのレベルで楽しめる物を期待するわけです。
んで、予備知識的な事に関しては、知らなくてもストーリーが追えない程ではないと言う感じでした。
知ってれば知ってるほど、ヒーロー達に感情移入が出来るので、より楽しめると言う感じ。
実際、僕の場合は映像作品でほぼ観た事の無い「マイティ・ソー」と「キャプテン・アメリカ」関連のドラマはイマイチのめり込めなかった。

本作を観る前の印象は同じく前評判が凄く高いハリウッドビッグバジェットSFムービーと言う事でマイケルベイ監督の「トランスフォーマー」一作目みたいな感じかなと思ってました。
実際観てみると、高速でアップの画を多用した、大味でも良いからとにかく迫力重視の「トランスフォーマー」に比べ、「アベンジャーズ」はアクションシーンでの画面やスピード感が整理されていて、頭の中にスルスル展開が入ってきて素直に楽しめました。
ていうか、「トランスフォーマー」と言うより、質はともかくとにかく大量に地球に攻めてくる敵に対して、共闘して防衛的に戦う主人公達や、そして戦闘が無くあっさり終わるラスボスとかの要素が、「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」に凄く似てるなと思った。
ただし、劇場版ガンダム00の主人公達はテレビシリーズの中で育まれた絶対的な信頼関係で結ばれた状態なのに対して、アベンジャーズの7人はギスギス反目し合っている状態からのマイナススタートな為、劇中でお互いの信頼を勝ち得て行く過程がドラマティックで、人間ドラマとしてよりエモーショナルだなと思いました。
ゆえに、巨大な壁を共に乗り越え絆を深めた仲間故の「言葉なんていらねえけど、どうなんだ?コレ」的なエンドロール後のあのシーンも大変楽しめました。

ヒーロー個別感想。
「アイアンマン」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
予告で予め観てしまったのは残念だけど、社長がビルから落下中に新スーツに着替えるシーンは最高ですよ。
表面上軽薄だけど凄く熱い所が魅力的ですねえ。

「ハルク」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
ちとCG臭いけどビル・ビクスビー版の「超人ハルク」より全然でかくてカッコよかったです。
今回はもの凄く強い代わりに敵味方見境無く攻撃する設定を強調してたけど、過去作はもうちょっと自己制御出来てたように思えたんだが。
んで、中盤まではハルクを覚醒させない様にみんな必死だったのに、終盤の戦闘シーンでは特になんの切欠も無く共闘してたのですが、恐らくその矛盾をスタッフがセルフ突っ込みするために、突然思い出したようにソーを突き飛ばすシーンは凄く良かったですねえ。

「キャプテン・アメリカ」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
星条旗を模した服装で、現場で指揮をする姿はさながら世界のキャプテンである所のアメリカその物のようですって解釈で良いのかな?

「ソー」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
いや、この人ホントは良く知らんのですが。
日本向けには「ソー」じゃなくて、日本で慣れ親しまれた表現の「トール」と訳すべきじゃ無かったのかと凄く残念に思います。

「ホークアイ」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
矢は何時補充してるのだろうか。
序盤~中盤とこの人が敵に操られるのは、他の6人に比べてちとキャラが弱いから与えられた展開なのかなと失礼な事を思った。

「ブラック・ウイドゥ」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
「アイアンマン2」でのアクションも短いながらも超カッコよかったんで今作も期待してましたがアクションの質、量ともに大幅パワーアップで言う事なしです。
人外な超能力は無さそうだけど、終盤の大決戦でも素晴らしい活躍を見せてくれて大満足です。
特に、会話ばかりでつまらん序盤の展開のなかで、彼女の紹介を兼ねた「尋問中断」アクションは本作でも屈指の名シーンだと思います。
他のヒーローもこういうシーンを序盤にもっと入れて欲しかったなあ。

「ニック・フューリー」カッコWiiDS!ありがとう任天堂。
黒い丹下段平、ブラック・タンゲ。

ただ、この作品、前半から中盤のアクションに乏しい説明パートが中々退屈で、そもそも、この映画、ストーリーの根幹自体がかなりつまらない。
もちろん、この作品のテーマはズバリヒーローの共闘ですから、逆に根幹のストーリーこそが付け合わせみたいなもんで構わんと思うんだけど、だったらもっとシンプルな話にして欲しかった。
さして面白くないのに、以外と説明に時間を要する話なんですよね。
なので、序盤から中盤でのアクションなしの中弛みタイムはかなり眠かった。

あと、敵が全体的につまんない。
特に敵ボスの「ロキ」って言う鹿みたいなオッサンの見た目は嘲笑的な意味で面白いけど、敵としてのつまんなさはマジ致命的で、ホントに見た目がカッコ悪いし魅力が無いし弱そうっていうか実際弱いし。
つうか、この「ロキ」はアベンジャーズの一人「ソー」の弟だって言うんだから、その能力はまあ言うても「ソー」1人とイーブンなわけで、こいつ以外、実質ネームドモンスターが出て来ないからアベンジャーズが6人が不戦勝ってパワーバランスじゃねーかと。
実際、ロキは故意かどうかはともかく、案外簡単に主人公側に捕らえられて、結局は自軍の軍隊の救出頼りだったりしてもう魅力ゼロ。
魅力が薄いのは「ロキ」だけじゃなく、無数に現れる敵の軍隊も基本的には「人型」と「エアロバイク」と「凄く大きいムカデ」の三種類しか居なくて萎え。
ここは、三羽烏でも四天王でも黄金聖闘士12人的な存在を入れるべきでしょうよ。
んで、一緒に観に行った友人が言っててナルホドって思ったんですけど、この手のハリウッドクリーチャーってみんな基本的に濃い灰色で地味なんだよね。
この辺の無数に現れる敵の魅力の薄さは「劇場版ガンダム00」にも通ずるなあ。
やっぱり、ヒーローが輝くには魅力的な敵がいないとダメじゃないの?
敵を灰色にした方がヒーローが輝くってことなのかな。

てな感じに比較的ネガティブな感想になってしまったが、しつこいけど終盤の市街戦は完璧ではないけど本当に素晴らしいよ!

ブラック・ウイドゥも大活躍の「アイアンマン2」
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