「ソウル・サーファー」感想【ネタバレそれなり】 | カキオキ

「ソウル・サーファー」感想【ネタバレそれなり】

ソウル・サーファー」感想。
片腕を失いながらも、ひたすら前向きで明るく楽しいサーフィンスポ根。しかも実話。
100点満点で85点です。


サーファーを夢見る少女ベサニーが片腕サメに食われちゃう話なのに、ポジティブでひたすらキラキラ輝いていて、希望に満ちた2時間でした。
片腕にもなるので、当然挫折も経験し、酷く落ち込んだりもするんだけど、見てる側は暗い雰囲気にならない。
これは主人公や家族や友人、ライバル他、全ての登場人物が、正方向の感情に満ち溢れ、お互いや自己の負の感情を浄化する能力を持ち合わせて描かれているからじゃないだろうか。

例えば、主人公の両親が、娘の腕を奪ったサメの死体を確認するシーンがあるのだが、彼らはサメの死体に暴言を吐いたり棒で殴ったりとか、八つ当たりや復讐はしない。
サメは娘に訪れた運命の歯車のひとつでしかなく、サメを捕らえた所で、自体が好転する事は無いと確認し、ただ今を悲しむだけ。
それは復讐等の能動的な負の感情とは全く違う、あくまで対処的などうしようもない感情なので、今を悲しむのはしょうがない、悲しければ泣けば良いと思う。
サメに八つ当たりしたり、復讐の感情を抱いても意味が無いと判っているのだ。
そこに痛く感動した。

ライバルのキャラクター設定も素晴らしい。
五体満足時の主人公に馴れ合いを拒否した場面と、その正反対とも思えるラストシーンは全く正反対のように思えるが、実は彼女の思想は成長しつつも一貫しているのが良い。
障害者になってしまった人に対して、家族や友人が態度や接し方を変えるのも愛情だが、ライバルの態度を変えないと言う姿勢がしっかりしているからこそ、最後のシーンは号泣してしまった。
ライバルがハンデの提案をするのだが、それを主人公が拒否。
ライバルはそれ以降、主人公に対して、甘い態度を見せない。
こえぞプロフェッショナル。
熱すぎる。スポ根過ぎる。
やっぱり、スポ根は、良いライバルと高いハードルがあってこそ燃えますね。

クライマックスのパイプラインの映像は本当に素晴らしかった。
波の壁越しに歪む主人公の顔や残った右手を波に滑らすシュプールの美しさに開いた口が塞がらなかった!
サーフィンなんてやらなくてもアホでも判る説得力ある映像。
最終審査結果のロジックや、ライバルの最後の行動まで、このパイプラインの演技が素晴らしいので全て噛み合っていた。
号泣です。

復帰後、やはりサーフィンが上手く行かず、一時は失意のどん底に落ちた主人公がボランティアに参加し、子供に希望を与える事で、自らも希望を取り返す展開はいささかベタだがやっぱり良かった。
落ち込んだ人が、更に落ち込んでる人を励まし、お互いに励まされる構図。
分け与えるのではなく、相乗効果で生み出されていくポジティブシンキングに感動。
もっとも、ここのシーンは、子供と主人公がサーフィンやりだしたら、全員で拍手とかいきなりしちゃったりとか、いささかわざとらしいカット構成や演出がちょい気にはなったが。

でも、色々上手く行き過ぎだよなあと正直ちょっと思ってしまったのですが、エンディングクレジット時に、主人公のモデルのべサニー本人の映像が流れてくるのを観てビックリ。
ホントにタイの被災地でサーフィンやってるよ!
劇中のシーンは再現フィルムだったのかよ!って位に実話の再現度が高い映画でした。
まあ、リアリティに関しては結局編集の問題ではあると思うけど。

まあ前向きな人達は本当に前向きだなあと嫉妬。
何かに凹んでいる人は観たほうが良い映画だと思いますよ。
主人公の障害の重さより、映画全体に包まれた明るさが遥かに大きいのが何より素晴らしいです。


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