AIが管理職を代替するという発想には、
根本的に欠けている視点がある。
それは、人間の能力を理性偏重に捉え過ぎており、判断力、決断力、リーダーシップ、洞察力等、知能や論理的思考能力だけでは捉えられない感性的能力を考慮していないことである。
生身の人間に責任を追う立場にある者にとって、
AIに代替され得る知的能力は最重要な資質ではない。
むしろ、組織を活性化させ、組織の総合力を
高めるような能力こそが求められるのでは
ないだろうか。
そのような能力を発揮するためには、
論理思考や分析力のような知的能力以上に、
人生経験に裏打ちされた洞察力、人を惹きつける
リーダーシップ等のような、総合的な人間力が
求められる。
これらは決してAIに代替できるものではなく、
生身の人間が真摯に人生と向き合う中でしか
獲得できないものである。
AIは、それを適切に使えば仕事の生産性を高め、
我々の社会をより良いものにしていく強力な
ツールとなるだろうが、それを口減しの道具
として用いるのであれば、人類にとって不幸な
結果を招きかねない。
AIを適切に使うためには、使う側の仕事観が
問われてくると思う。
仕事とは、単に利益だけを目的とするのではなく、
人々の生活を支え、成長機会となり、そして
生きがいを与えるものでもあることを忘れては
ならないだろう。