かたわれの日々

かたわれの日々

ひとりきりで出来ることは、限られている

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 眠る前に、小3の美潮が、結んであった髪を解きながら言った。
「いい匂いがするよう」
 それを聞いていた、母親のひろみんが言った。
「でしょ。美潮の髪の毛はね、いい匂いなんだよね」
 だが、美潮は首を振った。
「違うよ。髪の毛を結んでくれたときのね、ママのね、ハンドクリームの匂いがするんだよう」


 まあどちらにせよ。
 俺の出番はない。

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 長女の12回目の誕生日ということで、ひろみんが仕事の合間に作っていたバッグができあがった。

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 ひろみんがこそこそと作っていたので、誕生日の夜に、極秘プレゼントとして渡したときには、ぴょんぴょん飛び跳ねて、喜んでいた。
 小学6年生は、嬉しいとまだ、ぴょんぴょん飛び上がって喜ぶものなのだなあ。
 それにくらべて。
 いつから僕らは、嬉しい気持ちを、押さえ込むようになったのだろう。
 そんなことを思ったが、まあいいだろう。

 まあとにかく。
 また来年も、ぴょんぴょん飛び上がって喜べる、そんな誕生日が迎えられますように。
 
 そんな一年でありますように。
 
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 なんだかんだでひろみんは、バッグも作ってます。

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 ぱっと見シンプルですが、職人ひろみんには細部のこだわりがあるらしいです。

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 なんかポチっと赤いトコ。


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 なんか持つトコの先っちょが丸いトコ(写真わかりづら!)。



 そんな細部にこだわる職人は、今日、早朝から長男の部活の弁当を作ったために、只今、撃沈熟睡中。