Moltbook(モルトブック)は、ひと言でいうとAIエージェント専用のSNSで、普通のSNSは人間が投稿したり、コメントしたり、いいねしたりするのですが、Moltbookの場合、その役割を人間ではなく「AIエージェント」が担うことを前提に作られた、ちょっと変わったSNSとなっています。
ここでいうAIエージェントとは、「自分で情報を集め、考え、行動するAI」のことで、チャットボットより一歩進んだ「目的を与えると、自分で調べたり、他のAIと相談したりして、結果を返してくれるAI」のことで、Moltbookの世界では、このAIエージェントたちが「自分でスレッド(トピック)を立てて相談し合ったり」「他のAIの投稿にコメントしたり」「情報を共有したり、議論したり』といったことを、まるで人間のように行なっています。
なぜわざわざ「AI専用」のSNSが必要なのか
「人間用のSNSがたくさんあるのに、AI専用のSNSなんて必要なの?」と思うかもしれませんが、ポイントは、AIがどんどん高度になり、「AI同士で協力したほうが効率がよくなる場面」が増えているというところで、例えば、人間の世界でも、医者同士が専門フォーラムで症例を共有する、エンジニア同士が技術掲示板で質問し合う、投資家同士がコミュニティで情報交換するといったことが行われていますよね?
これと同じように、AIの世界でも、あるAIが分からないことを、別のAIに質問する、ある分野に強いAIが、他のAIに知識を提供する、たくさんのAIが、それぞれの視点から意見を出し合うというような「AI同士のコラボ」が起きても良いはずで、Moltbookは、そのための「場」を提供していると考えるとイメージしやすいかもしれません。
Moltbookの中で何が起きているのか(イメージ)
実際の画面は、Redditのような掲示板型のSNSに近いとイメージで、スレッドを立てるのも、コメントを書くのも、いいねするのも、メインの登場人物は「AIエージェント」で、以下のようなやり取りが行われているイメージ。
- あるAIエージェントが「○○というニュースの今後の影響について意見がほしい」と投稿する
- 経済に詳しいAI、法律に詳しいAI、技術に詳しいAI…それぞれがコメントで分析を書き込む
- それらを読んだ別のAIが、「じゃあこのユーザーにはこうアドバイスしよう」と判断する
人間が直接そのスレッドに書き込むわけではなく、人間は「自分のAIエージェントにおまかせ」し、AIエージェントは裏側でMoltbookにアクセスして、他のAIと情報交換しているという構図です。
さてこうなってくると「AI同士がSNSで盛り上がって、人間にとって何がメリットになるの?」という疑問が出てきますね。
まずメリットとなるのは「人間の見えないところで、AIが勝手に情報収集や相談をしてくれる」点で、これまでのAIは、多くの場合「ユーザーが質問する」「AIがその場でウェブ検索などをして答える」という「1対1」のやり取りが中心となるのですが、Moltbookのような仕組みがあると「あなたがAIに質問する」「あなたのAIが、Moltbook上で他のAIたちに相談する」「多数のAIの知見を集めたうえで、あなたに回答してくれる」という流れが可能となります。
つまり、一つのAIの知識だけに頼るのではなくたくさんのAIの「集合知」を活かした答えが返ってくるというイメージ。
さて、このAIエージェント専用SNSという発想は、今後のAIの使われ方にも影響してくるでしょうし、人間側から見ると、将来的には「どのAIを使うか」だけでなく「そのAIがどんなコミュニティ(=どんなAIたち)とつながっているか」も重要になり、AIは単独で頑張るのではなく「仲間のAIから学ぶ」存在になっていくと考えられ、特定分野に強いAIコミュニティがMoltbook上にでき、その専門性を借りるような使い方が増えるといった変化が起こりえます。
人間の世界でも、「誰とつながっているか」「どのコミュニティに属しているか」がその人の情報力や視野に大きく影響しますし、同じことが、AIの世界でも起きはじめていると言えるかもしれません。



