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小説『天国のチョコレート/Heaven』
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最終回 天国のキップ(7)
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都村は川辺の肩に手を置き言った。
「自殺や殺人を犯して死んだ人は
天国には行けないという噂があります。」
「このチョコレートは安田君が
天国に行くための大事なチケット。」
「必ず安田君の手に届くと信じています。」
「ただし、彼がこのチョコレートを全部
食べてしまわないようにと願うだけです。」
そう言って都村は優しく微笑んだ。
「安田は食いしん坊だから
川辺も立ち上がった。
笑ったその目にもう涙はない。
「おい、ヤス。
大事なチョコレートだから自分で食べるなよ。」
川辺はビルの谷間に向かって
楽しそうに大きな声で叫んだ。
まるで山の頂から叫んでいるようにやまびこは響く。
「これ今食べてもいいですか。」
都村は“天国のチョコレート”のパッケージを手にして言った。
「ええ、どうぞ。ヤスも喜びます。
あいつの作品ですから。」
チョコレートを
一口分のサイズに折って
口の中に入れた。
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都村はパッケージを開けて
食べてしまうかもしれませんね。」