マウスiPS細胞由来の網膜組織移植:失明マウスが光に反応 ヒト応用へは何年か?
今朝のニュース、結構な話題になっているようだ。
京大名誉教授でES細胞の権威である中辻先生は次の通りである。
「マウスiPS細胞由来の網膜組織を疾患マウスに移植し、光感じる機能が改善した結果は素晴らしい。だが、新聞記事には2年後に臨床研究開始する計画と明記は少し楽観的すぎるのでは無いか ? 実際のプレス発表での発言ニュアンスは分からないが、そんな容易に臨床応用出来るとの印象を人々に与えたのでは ?」
私は、今回の基礎研究成果、2~3年後に臨床研究申請するというならば、だいたい、そんなもんかとも思います。これまでの蓄積(iPSのみならずESなど)も多いので、眼の疾患に関する上記のような多能性幹細胞を利用した治療は、がんや心臓病の臨床研究よりも、はやくはじめられるでしょう。
2年前にヒトES細胞由来の心筋細胞移植がフランスで行われたが、その後、なんにも報告ないから、あれは失敗した(不幸にも患者さんがなくなられた・・・2例中1例は、ほぼ術直後)のでしょうが。
こういうケースもあるので、たぶん2020年の第2次東京オリンピックあたりには、本件に関する臨床研究は加速度的に進められているでしょう。