某産婦人科医の(文春いわく)「経歴詐称疑惑」を概観して
マスコミで著名な産婦人科医である宋美玄氏が、あの『文春』で経歴詐称疑惑を報じられた。
ご本人は、下記のブログで記事を否定している。
コメントも擁護だらけだが、それらを含めて読んだ。
http://ameblo.jp/son-mihyon/entry-12147597307.html
宋先生の説明(取材時及び上記のブログ記事)でも、なぜ文春は、ある意味「訴訟リスク」を犯してまで記事を載せ、そして、いまだに主張をまげないのか?
この分だと来週あたりに、彼らのことだから「追撃第2弾」を報じるかもしれない。
思うに、一般の方々と医師・研究者の方々の間では「留学」という言葉に相当な温度差があると考えざるを得ない。宋先生の説明だと、一般人感覚ならば「留学」ではなく「海外研修」という言葉が適切だと思う。まあ、いずれにせよ「詐称」ではないとことは強調しておきたい。
(一般的に)留学というのは、海外の大学・大学院で学位をとること(MBAなどの専門職学位をとることを含む)。海外研修というのは宋先生のように海外で、ある技術を学んだりすること。宋先生は臨床もロンドン大の病院でなされていたようだが、あれは教育研修の一環としての臨床実習だろう。自身のキャリアやスキルアップに貪欲なのは結構なことではないか?
よく「留学」と混同されるのは「研究留学」。
前者は海外の大学に金を払うが、後者は博士号取得後にポスドクとして有給で期限つきで大学から雇われている研究者である。「研究留学」などという紛らわしい言葉を誰が考えたのか知らないが、「研究留学」とは「期限付きの労働者」であり、「研究留学」というよりは「海外研究機関所属の期限付き研究者(労働者)」である。研究留学なんて言葉はやめて、ちゃんと「海外ポスドク」という呼称を広めるべきでしょ。
また(海外での)客員研究員という立場も誤解を与えやすい。
この立場は、いろんなブログやネット記事あるいは報道で、ずいぶん間違った記載がなされている。(海外での)客員研究員になったことが無い(科学者や医師などで無い限り必要ないからね)方々が適当に書いているものが大半である。記事の信憑性は文春以下だ(笑)。
(海外での)客員研究員(場合によっては、客員講師とか客員教授とかになる)」という立場は独立した研究者として、海外の大学(病院)などと共同研究や共同事業を行い、共同で論文を書いたり、特許を共同出願することが主目的だ。無給の場合は自分でスポンサーなどから研究費を得たり、奨学金を獲得する必要があるし、有給の場合もある。ちなみに私の場合は両方のパターンを経験済みですが。
客員研究員の採用方法は、同じ大学(病院)の中でも様々であるが、少なくとも博士号保持者でなければならない(病院で研究する場合、医師ならば、まだ博士号が無くても良い場合がある)。さらに査読つき国際誌の原著論文保持者(私の場合、インパクトファクター10以上の国際誌掲載論文保持が要求されたがクリアしてました)でなければならない。…などの種々の必要条件がクリアされていなければならない。
一般的に客員研究員は、アホなネット記事あるいはSPA(どうしようもない馬鹿雑誌)の最近の記事のように決して「腰掛レベル」のものでは無い。特にハーバードやMITなどの海外一流研究機関の教官らが、一流誌に論文を書けない者を、わざわざ「客員研究員」に招いて共同研究しようとしないだろうに…。逆に言えば、海外一流研究機関の教官らは彼らや彼らの所属機関に「利益」をもたらすか否かで日本からの研究者を評価しているのだ。
誤解や偏見、曲解などに基づいて、軽々しく他人の人生・キャリアを批判すべきではない。
そういう人は、たいてい批判ターゲットを妬んでいるにすぎない。そんな暇があるならば、自らのキャリアアップに精を出せよと思う。
ご本人は、下記のブログで記事を否定している。
コメントも擁護だらけだが、それらを含めて読んだ。
http://ameblo.jp/son-mihyon/entry-12147597307.html
宋先生の説明(取材時及び上記のブログ記事)でも、なぜ文春は、ある意味「訴訟リスク」を犯してまで記事を載せ、そして、いまだに主張をまげないのか?
この分だと来週あたりに、彼らのことだから「追撃第2弾」を報じるかもしれない。
思うに、一般の方々と医師・研究者の方々の間では「留学」という言葉に相当な温度差があると考えざるを得ない。宋先生の説明だと、一般人感覚ならば「留学」ではなく「海外研修」という言葉が適切だと思う。まあ、いずれにせよ「詐称」ではないとことは強調しておきたい。
(一般的に)留学というのは、海外の大学・大学院で学位をとること(MBAなどの専門職学位をとることを含む)。海外研修というのは宋先生のように海外で、ある技術を学んだりすること。宋先生は臨床もロンドン大の病院でなされていたようだが、あれは教育研修の一環としての臨床実習だろう。自身のキャリアやスキルアップに貪欲なのは結構なことではないか?
よく「留学」と混同されるのは「研究留学」。
前者は海外の大学に金を払うが、後者は博士号取得後にポスドクとして有給で期限つきで大学から雇われている研究者である。「研究留学」などという紛らわしい言葉を誰が考えたのか知らないが、「研究留学」とは「期限付きの労働者」であり、「研究留学」というよりは「海外研究機関所属の期限付き研究者(労働者)」である。研究留学なんて言葉はやめて、ちゃんと「海外ポスドク」という呼称を広めるべきでしょ。
また(海外での)客員研究員という立場も誤解を与えやすい。
この立場は、いろんなブログやネット記事あるいは報道で、ずいぶん間違った記載がなされている。(海外での)客員研究員になったことが無い(科学者や医師などで無い限り必要ないからね)方々が適当に書いているものが大半である。記事の信憑性は文春以下だ(笑)。
(海外での)客員研究員(場合によっては、客員講師とか客員教授とかになる)」という立場は独立した研究者として、海外の大学(病院)などと共同研究や共同事業を行い、共同で論文を書いたり、特許を共同出願することが主目的だ。無給の場合は自分でスポンサーなどから研究費を得たり、奨学金を獲得する必要があるし、有給の場合もある。ちなみに私の場合は両方のパターンを経験済みですが。
客員研究員の採用方法は、同じ大学(病院)の中でも様々であるが、少なくとも博士号保持者でなければならない(病院で研究する場合、医師ならば、まだ博士号が無くても良い場合がある)。さらに査読つき国際誌の原著論文保持者(私の場合、インパクトファクター10以上の国際誌掲載論文保持が要求されたがクリアしてました)でなければならない。…などの種々の必要条件がクリアされていなければならない。
一般的に客員研究員は、アホなネット記事あるいはSPA(どうしようもない馬鹿雑誌)の最近の記事のように決して「腰掛レベル」のものでは無い。特にハーバードやMITなどの海外一流研究機関の教官らが、一流誌に論文を書けない者を、わざわざ「客員研究員」に招いて共同研究しようとしないだろうに…。逆に言えば、海外一流研究機関の教官らは彼らや彼らの所属機関に「利益」をもたらすか否かで日本からの研究者を評価しているのだ。
誤解や偏見、曲解などに基づいて、軽々しく他人の人生・キャリアを批判すべきではない。
そういう人は、たいてい批判ターゲットを妬んでいるにすぎない。そんな暇があるならば、自らのキャリアアップに精を出せよと思う。