卵子凍結~千葉県浦安市ケースについて~ | 医学ニュースの深層

卵子凍結~千葉県浦安市ケースについて~

 このごろ卵子凍結の話題がiPS細胞研究の進展・STAP細胞スキャンダルと肩を並べるくらいに話題となっている。

 「千葉県浦安市が卵子凍結存に助成金」というニュースは、かなりインパクトがあったようだ。「卵子凍結を通じて女性が妊娠、出産して、将来的に浦安の人口が増えるか否か?」という社会実験でもある。

 現在、国が行っている不妊治療への助成金は42歳まで(所得制限付き)が対象で1回15万円までで、利用できる回数にも制限がある。ただ、実際、42歳で出産にいたる確率は3.7%と非常に低く、子供は増えない。ならば対象年齢を下げる(34歳まで)代わりに卵子凍結保存にかかる金額の70%を補助して子供が増えるかどうか検証しよう…ということらしい。

 また同時に、若いカップルの流入促進目的もあるのだろう。あそこは東日本大震災で液状化が進む前は、若いカップルに人気の街だった。私の知人・友人のカップルの多くは、あそこか、川崎市(神奈川)に住んでいた。中には浦安で1億円のマンション買ったのもいたが震災で悲惨な目にあった者がいる。で、震災被害で、みんな他の地域へと…。今回のプロジェクトは、その悪い流れを断ち切り、逆流させる目的もあろうかと思う。

 ちなみに市から3000万円の寄付を貰う順天堂の浦安病院には、私の教え子(医師・看護師ら)のけっこう多くが他の地域から通ってます。ただし、彼らは「卵子凍結」補助のために浦安市に根ずく気は無いようだ。