やはり事前に名前が漏れた、今年のノーベル生理・医学賞受賞者 | 医学ニュースの深層

やはり事前に名前が漏れた、今年のノーベル生理・医学賞受賞者

 ヤマナカか? と尋ねたら、エドワーズだった——。ノーベル賞史上、初めての特ダネで、今年の医学生理学賞の受賞者を発表前にスウェーデンの新聞で 報じたフリーの女性記者インゲル・アッテルスタムさん(66)が朝日新聞の単独インタビューに応じ、情報を得た経緯などを語った。

 インゲルさんは25年以上、科学や医療の取材を続けている。医学生理学賞を選ぶカロリンスカ研究所に知り合いも多い。大手地元紙スベンスカ・ダグブラデット紙から受賞の予想を書くように依頼され、選考関係者に電話した。

 インゲルさんは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授ら幹細胞に関する研究者が受賞すると考えていた。取材相手に「iPSが取るの?」と話を向けたところ、返事は「いや、エドワーズが取るよ」。具体的な名前が飛び出して、仰天したという。

 英ケンブリッジ大のロバート・エドワーズ名誉教授は、世界初の体外受精児を誕生させた研究者だ。インゲルさんは急いで編集部に電子メールを送った。サブエディターのマリア・グラメールさんは「インゲルは間違ったことを言ったことがない。大特ダネだ」と判断した。

 インゲルさんと編集部は作戦を練った。記者発表の資料などを準備する時間を考えれば、発表の数時間前に記事が出ても受賞者を変える余裕はないはずだと判断。午前11時半からの発表当日の朝刊で報じ、報道の通りとなった。

 インゲルさんは「当日の朝刊なら大丈夫、と考えた。記事の通りでよかったけれど、情報をくれた人には、その後、連絡できずにいる」と気まずそうに笑った。〈朝日新聞)


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 このブログで10月6日にも書いたように、今年は発表前にノーベル生理・医学賞受賞者の氏名が漏れたことは確実になった。まあ、これで来年以降は漏れないだろうな・・・。