2010年のノーベル生理・医学賞…ますます強まる臨床への多大な貢献度! | 医学ニュースの深層

2010年のノーベル生理・医学賞…ますます強まる臨床への多大な貢献度!

  さて、発表された、ノーベル生理・医学賞は「ヒトでの体外受精」を世界初で成功させたイギリスのエドワード先生(85歳)です。論文としての報告は、Lancet誌に掲載された短い論文(1965年)。
どうやら、この論文が授賞の決めてのようですね。

 まあ、「今年」の授賞テーマは外れました(笑)。・・・まさか「不妊治療」とは・・・。
(たぶん、ノーベル賞の「不妊治療」技術という宣伝文句で煽る「クリニック」が日本で増えるだろうな。)

ただ、まだiPS細胞は取れないということは、きっちり当てました≧(´▽`)≦
スウーデンの地元紙予想と、それを報じた日本の大マスコミよりは、マシですな(笑)。
 だいたいES細胞の発見と(その応用の)ノックアウトマウスの作製が数年前に授賞テーマだったし、
「幹細胞」系のテーマは、速くても、もう数年後でしょうに・・・。
 
 さて、今回の授賞テーマですが・・・動物で成功させた研究者のほうが「概念」としては「速い」ですが、その方は、もはや「黄泉の国の方」なので授賞は対象外。それにしても今回は「基礎研究」というよりも明らかに「臨床研究」です。
 ノーベル賞はずっと前者の研究が対象でした。しかし、近年は、ある画期的な医学上の発見の理論の礎を築いた基礎研究者と臨床応用技術の研究開発者とのセット(今年の場合は臨床応用技術の研究開発者単独)が選ばれるケースが目立っていますね。

 上記のスウーデンの地元紙予想では、カナダ人2人とのセット授賞などと書いてましたが、私も基礎研究重視なら、ラスカー賞のように、そういうことになると思ってました。
 しかし、こういう傾向・・・臨床への大きな貢献度を重視・・・が続くなら・・・たぶん、iPS細胞の山中先生は、ヒトiPS細胞の臨床応用技術の研究開発者とのセットでの授賞でしょうね。
 後者は、具体的には「ヒトiPS細胞利用の画期的な創薬」か「臨床応用に足る、安全性が高く、高品質なヒトiPS細胞樹立方法の開発」でしょう。まあ、後者の方が、山中先生との「同時授賞」確率は高いでしょうよ。
 だから、ハーバードの先生らは、後者に異様なまでに必死で力を入れてるわけ(直近の記事を参照)。
クスリを添加するだけで、創れる方法ね。まあ、特許及び医学・医療ビジネス面からも、大きな潜在能力がありますから。

 さて、あと、物理・化学・文学・経済・平和が残ってますが、日本人は出る可能性はあるけどね・・・。