「腸すげえ(笑)」のか?!・・・iPS細胞から腸管…奈良県立医大 マウスで成功
iPS細胞(新型万能細胞)から、実際の腸のようにぜん動運動をする腸管を作製することに、奈良県立医科大の中島祥介教授と植田剛医員らの研究グループがマウスの実験で成功した。iPS細胞から器官を作り出した例は初めてという。
グループは、マウスの皮膚から作ったiPS細胞を球状に培養。粘膜やじゅう毛、筋肉、神経を伴った管状の組織(直径約2ミリ、長さ約5ミリ)ができた。物を絞り出すように運ぶぜん動運動を1分間に10回程度行っている様子が見られ、腸管の運動リズムを調節するペースメーカー役の細胞も確認された。
iPS細胞からは神経や筋肉など、様々な細胞を作れるが、立体構造を持つ器官にまで変化させるのは難しい。グループは、同じ万能性のある胚(はい)性幹細胞(ES細胞)で培った人工腸管作製技術を使い成功させた。
植田医員は、「今後は患者のiPS細胞から腸管を作り、クローン病などの原因不明の炎症性腸疾患や、先天的な腸の運動異常症の発症メカニズムの研究に役立てたい」としている。
成果は欧州の学術誌に掲載され、18日に広島市で始まる日本再生医療学会でも発表する。(読売新聞)
コメント:
これ、昨日は、結構、大きく報道されていたね。
「腸すごい」(笑)と、消化器が本業の私としては、そんなシャレを軽くはいえない。
とても興味深く、面白い研究なんけどねえ・・・だからこそ、軽くはいえない。
まあ、ヒトiPS細胞から、同様のことができたとしても、それを利用したクローン病などの疾患メカニズムの解明は、一筋縄では、いかないだろう。ましてや小腸移植はなあ・・・。いや、それほどまでに難しいのですよ「腸」は。腸難しい(笑)。
その前に、癌化リスクが極限まで低い、高品質なヒトiPS細胞の樹立・確定が先決だけど・・・。そうでないと、基礎研究でも臨床でも、腸を扱うならば、バイアスがかかり過ぎる。
ところで、クローン病患者さんは、喫煙者のほうが、禁煙者よりも多いのです。
他の病気・疾患とは、完全に真逆なのは、わかりますよね?
この理由の1端をわれわれは解明してあるが、このリサーチツールを「うまく」工夫して使えば、もう1歩、面白いことができるかな・・・と期待してみる私。
あっ、またここでも、「研究ネタ」を書いちゃった(笑)。
まっいいや( ´艸`)