慶応大教授ら心筋細胞増殖に成功 再生医療へ前進 | 医学ニュースの深層

慶応大教授ら心筋細胞増殖に成功 再生医療へ前進

 新型万能細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から作った心筋細胞に、顆粒球コロニー刺激因子(G―CSF)という物質を加えると、心筋細胞が非常によく増殖するとの研究結果を、慶応大の福田恵一教授と下地顕一郎助教らが5日付の米科学誌「セル・ステム・セル」電子版に発表した。

 心筋梗塞など重症心不全の患者に対する心筋細胞を使った再生医療の実現に向けて一歩前進としている。

 福田教授らは、ES細胞に特定のタンパク質を加えると心筋細胞に効率よく分化することを解明していたが、その際によく働いている遺伝子があることに注目。妊娠10日目のマウスの胎児を調べると、心臓でこの遺伝子がよく働き、G―CSFが多く分泌されていた。

 G―CSFが胎児期の心筋細胞増殖に深く関与していると考え、サルのES細胞やヒトのiPS細胞から心筋細胞を作る際にG―CSFを加えると、従来に比べ数十倍程度、心筋細胞を増やすことができた。

 G―CSFは、骨髄を刺激して白血球を多く作るようにする作用が知られ、抗がん剤治療で白血球が減少した場合などに使われている。(共同通信)



コメント:


 G-CSFが抗がん剤治療のブレイクスルーとしてもてはやされはじめたときって、それほど昔じゃないですけどね。そのときは、こんなことに使えるとは誰も思ってなかっただろう。でも、今や、私なんかですら思いつくのだから・・・時代だねえ。


 皮膚繊維芽細胞由来で、センダイウイルスで3因子で樹立したヒトiPS細胞から心筋細胞に分化誘導させる際にG-CSFをふりかけて心筋細胞を増やして、それらを細胞シートにのせて、重度の心臓疾患を誘発させた犬あるいは、もう、サルで実験してみたら?・・・日本の循環器・心臓血管外科の先生方?