任天堂Wii症候群・・・再び! | 医学ニュースの深層

任天堂Wii症候群・・・再び!

2006年にテレビゲームWiiが登場して以来、手の靭帯(じんたい)や腱にとどまらず、最近では足を負傷するプレイヤーが増えているようだという。「Wii症(Wiiitis)」として知られるこのような損傷について詳細が報告され、医学誌「New England Journal of Medicine」2月4日号に掲載された。

 報告を発表した英オックスフォード・ラドクリフ病院NHSトラストのKaren A. Eley氏によると、Wiiの発売前はコントローラーの使い過ぎで手の靭帯を損傷する患者の受診が多かったが「今や身体のどの部位にも起こるようだ」という。1990年代に流行したいわゆる「Nintendinitis(ニンテンドー腱炎:親指の腱に痛みが生じるもの)」に代わり、増えているのは足のけがで、床から2インチ(約5cm)の高さの「バランスボード」からの落下よる軟組織の腫れ、脱臼、肉離れ、軽度の骨折などがみられるという。英国では14歳の少女がこのようなけがで救急治療を受けた例もある。また、込み合った場所でゲームをするプレイヤー同士がぶつかることによる頭部の負傷ももう1つの側面であるという。

 しかし、Wiiによる負傷はそれほど頻繁なものではないという。「ある意味、単に運が悪かっただけともいえる。バランスボードを踏み外した人はもっと多いはずだが、医師にみせるほどではなく、われわれが見ているのは特に重症な例」とEley氏は指摘。さらに、同氏はWiiの利点として、運動をしない人が体を動かすのを促す効果があると述べている。「そのような人は捻挫(ねんざ)や挫傷を起こしやすい。しかし、ゲームをすることにより、皆が運動に関心をもつようになればよいと思う」と同氏は述べている。

 米ベス・イスラエル・メディカルセンター(ニューヨーク)のRobert Gotlin氏もEley氏の見解に同意し、「運動や娯楽の流行には新しいタイプのけががつきものである」と述べる一方、Wiiの場合は子どもを巻き込むものであるため、安全面をよく確認する必要があると指摘。やりすぎに注意し、生活の全部ではなく一部分だけのものとして、親の指導の下に与えるべきだと助言している。また、「神経筋のコントロールができるようになったばかりの7~9歳の子どもがWiiのゲームでバランスや動きを学ぶ利益が、負傷のリスクを上回るものなのかどうかが問題だが、動かずにソファに座っているより良いのは明らかで、便益に対してリスク(リスク便益比)は極めて低い」とも述べている。(日経)



コメント:


 このブログを書き始めた頃だったと思うが、Wii症候群ネタで医師国家試験用の「問題」を創ったことがあったなあ。


 その後、昨年の6月あたりに、追加の情報も書いたので、御覧あれ。

ブログ内検索で、Wiiで検索すればヒットする。


今回のは、それらの集大成みたいなもの。