スパコン、「世界一」の目標断念し予算折衝へ 文科省 | 医学ニュースの深層

スパコン、「世界一」の目標断念し予算折衝へ 文科省

 行政刷新会議の事業仕分けで事実上の「凍結」と判定された「次世代スーパーコンピューター」(スパコン)について、文部科学省は11日、「計算速度世界一」などの目標を見直し、予算折衝に臨む方針を固めた。事業費圧縮のため2012年の完成にはこだわらない。新しい事業計画案では、毎秒1京(1兆の1万倍)回という計算速度の目標は変えないが、完成が遅れれば世界一は難しくなる。その代わりに、利便性の高いスパコンの技術開発を目指す。来週中にも新しい計画案をとりまとめて発表する。

 来年度の概算要求で267億円を計上した事業費について、仕分けの結果をどのように反映させるか川端達夫文科相ら政務三役で協議してきたが、現状のままで事業を推進するのは難しいと判断。方針変更をこの日、菅直人副総理らに伝えた。今後は政権内での政治判断が焦点となる。

 現在の計画は、2012年の完成時点で、毎秒1京回の世界一の計算速度を実現するのが目標。新年度からはスパコン中枢部のCPU(中央演算処理装置)の製造に着手する予定で、メーカーでは製造ラインを拡張させる予定だった。

 完成を遅らせると、CPUの製造などで700億円とされる今後の事業費を大幅に圧縮させることが可能になると判断した。その代わりに、スパコンの用途を広げるためのアプリケーション開発やネットワーク化に力を入れる。

 次世代スパコンの開発は06年度に始まり、545億円が投じられ、神戸市のポートアイランドで建屋の建設が始まっている。 (朝日新聞)



コメント:


 11月21日の記事で私は、次のように書いた。


[仕分けとは・・・「作・演出;財務省、パフォーマンス:民主党議員、観客:国民」。

 

最初に「強烈なアドバルーン」をあげて、業界・世間の反応を見て、ちょっとまずいかなあと思えば、「再考する振り」をして、本当の「落としどころ」に近いところで決着させる。最初から落としどころのことまで、織り込み済みで、最後は、政治決着させる。毎年のことで、これが「財務省クオリテ」。

今回の仕分けは、このパターンがある程度公開されただけのこと。

まあ、スパコン予算のなんとか半分くらいは、もどるでしょう。

(この半分くらいというのが、日本人らしいと思いませんか?)。]


上記のような「復活」で折り合いをつけると踏んでいたから、こう書いた。


 スパコン問題は、純粋に科学の問題だけではなく、「理研の利権」(この洒落がわかる人は「プロ」)も、問題だから、このあたりの落としどころで決着すると思ってたら、そのとおりになった。


 まあ、いずれにせよ、これで、この国は、いろんな意味で、米国どころか、中国にも抜かれるわけだ。

 日本の生命科学の「切り札」とされている「iPS細胞研究」が、これの「2の舞い」に、ならないように祈ってるよ(笑)。