職場で怒りをためると・・・ | 医学ニュースの深層

職場で怒りをためると・・・

 職場での不当な扱いに対して怒りをためてしまう男性は、怒りを発散している男性に比べ、心臓発作や心疾患による死亡リスクが2倍以上であることが新しい研究で示され、医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health(疫学・コミュニティーヘルス)」オンライン版に11月24日掲載された。

 スウェーデンの男性労働者約2,800人を対象とした今回の研究では、仕事に関する同僚や上司との衝突に対して言いたいことを言わずにいると、心臓発作ないし冠動脈疾患死のリスクが3倍にもなることが判明した。著者の1人であるスウェーデン、ストックホルム大学ストレス研究所のConstanze Leineweber氏によると、今回の研究では仕事のストレスに対するよい対処法は示されておらず、この研究が、職場で喧嘩(けんか)腰な態度を取ることを提唱しているわけではないという。ただし、家で不機嫌な態度を取るなど、職場以外の場所で怒りを発散するのは、少なくとも心臓に害にはならないことが明らかにされている。

 この研究では2,000人強の女性労働者も対象としたが、女性では心臓発作や心疾患死を来した例が少なく、結論を出すことはできなかった。米ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)メディカルセンターのBruce S. Rabin博士によると、女性は一般に男性よりも上手くストレスに対処しているようだという。男性が何でも1人で抱え込みがちであるのに対し、女性は社会的交流を好み、よく話をする傾向があると同氏は説明する。

 仕事のストレスのレベルは個々の環境に左右されるため、1つの鍵となる対処法があるわけではないが、周囲の人と交流をもち、誰もが自分の考えを表現できると感じられる環境を作ることが重要だとRabin氏は指摘している。また、家庭でも誰かと感情を分かち合うことが極めて重要であり、子どもも親の行動を見て学んでいるため、親がよい模範となることが、長期的に子どもの健康にもよい効果をもたらす可能性があると同氏は述べている。

(日経ネット)



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