慶應大と京大が、iPS細胞のがん化に関与する可能性がある物質を複数発見した!?
今日は、講義に出かける前に・・・。
「慶應大と京大が、iPS細胞のがん化に関与する可能性がある物質を複数発見した」という興奮するようなNewsが、政府のiPS Trendの11月2日付けで掲載されていた。
しかし、このニュースは、京大CiRAのHPなどにも記載されていないし、学会や論文の報告でもまだないから、余計にびっくりした。
掲載紙が、日本経済新聞とあるが「あれ?そんなの載ってなかったぞ?」と思い、新聞社に電話してきいてみたら、たぶん「日経産業新聞」だということ・・・。(オイオイ、えらく違うぞ・・・。訂正しておいたほうがいいぞ・・・JST)
ともあれ、記事内容を。
「京大と慶応の共同研究Gが、iPS細胞の癌化に関わっている可能性がある物質を発見した。
脊髄損傷マウスに、ヒトiPS細胞から作った神経幹細胞を移植して、がん化したものとしなかったものを比べたところ、複数のたんぱく質で働きに違いがあった。
研究Gは、更に詳しい分析が必要と考えているが、どのタイプのiPS細胞ががん化しやすいかを見極めるのに役立つかもしれないという。
脊髄損傷のモデルマウスに、ヒトiPS細胞から作った神経幹細胞を移植した。大半の神経幹細胞はニューロンと呼ぶ細胞に分化し、機能回復などに効果があったが、7週間後には23匹中2匹で大きな腫瘍が見つかった。
腫瘍細胞を詳しく分析したところ、腫瘍の悪性度を判定するマーカーが5%の細胞で反応していた。
中枢神経にできる悪性腫瘍にはグリア細胞と呼ばれる細胞からできるグリオーマがある。
グリア細胞で見られるタンパク質の1種も見つかった。ただ、研究Gは「増殖率からみると、グリオーマではないと考えており、詳細な研究が必要。移植する前に細胞の性格を見極める評価基準が大切だ」(慶応大)と話している。
腫瘍の細胞からは、ネスチンやビメンチンと呼ばれ、細胞の形を支えるのに必要なたんぱく質が見つかっている。」
・・・と、まあ、以上のような記事。
おやおや、ずいぶん「勇み足」な内容ですね。
上記の新聞記事の見出しでも「iPS細胞のがん化に関係?」と「?」がついてる。
まだまだ、iPS細胞の癌マーカーには、ちょっとなあ・・・。
なんで今の段階で、わざわざ、急いで記事化するんだろう?
それにしても、慎重な発表者側にしては、かなり珍しい行動だな。。。
なお、神経幹細胞だけではなく、肝細胞でも、同様の方法でやってみたら?
きっと面白いことがわかるよ(笑)。