5年以内にiPS再生医療 文科省目標示す
文部科学省は24日、10年後までに新型万能細胞「iPS細胞」研究で達成する目標を
具体的に示したロードマップ(行程表)を発表した。
iPS細胞からつくった特定の細胞や組織を人間に移植する再生医療の臨床研究は、
早いものは5年以内に始めるとしている。
iPS細胞の特性を評価し、高品質に作製する方法確立(2年以内)を最も重視し、
再生医療のほか、万能性獲得の仕組みなどの基礎研究(5年以内)、
病気の解明や創薬に向け、患者の細胞をもとにした病気の特徴を持つiPS細胞作製と
さまざまな細胞のバンク構築(2年以内)などを内容とする計4分野を挙げた。
再生医療は、患者自身のiPS細胞から目的の細胞をつくり、
拒絶反応がなく移植できるようにする。
加齢黄斑変性という目の病気の治療につながる網膜色素上皮細胞は5年以内、
心筋は5~7年程度、
白血病や再生不良性貧血の治療を想定した造血幹細胞は7年後以降などを目標にした。
ただ臨床研究をするには現在まだない指針を策定しなければならず、
一般の治療になるのは安全性確認などが必要で、さらに先になる。(共同)
コメント:
まず、これからの2年・・・「iPS細胞の特性を評価し、
高品質に作製する方法確立(2年以内)」の内容次第ですね。
いつ、臨床研究・試験の第一段階に進めるかは・・・。
前に書いたように、Nature誌に山中先生が語ったように、リサーチツール
(例えば、医薬品評価のための道具)としてなら、3年から4年以内に。
10年以内に「(ヒトでの)臨床試験」に入りたいというのが常識的な線です。
なお、その間にも、各疾患の新規治療でも、そこそこのものが出てきます。
だから順調にいけば、それらと、このiPS細胞研究の成果との組み合わせによる
「臨床研究・試験」も考慮しなければならないでしょう。
やるからには、考えられる最高の医療を患者さんに提供したいですからね。