「手術か、ラジオ波か」肝臓がん治療の比較試験始まる | 医学ニュースの深層

「手術か、ラジオ波か」肝臓がん治療の比較試験始まる

早期の肝臓がんに対し、手術とラジオ波治療のどちらが優れているか、比較する
多施設共同研究(SURF試験)が始まる。
主任研究者の東大教授、国土典宏さんらが発表した。

肝臓がんの治療ガイドラインでは、肝機能が低下していない患者で、3センチ以下のがんが
3個以内の場合、切除手術か、体の外から電極針を刺しがんを焼くラジオ波治療を勧めている。

ただし、現状では、長期的にみて、どちらが優れているか結論が出ていない。
国土さんは「患者の治療方針が、主治医の経験、得意不得意に左右されている。
優劣があるかどうか、客観的に評価するための研究が必要」と話す。

この研究には全国の75医療機関が参加する。対象は20歳以上80歳未満で、
初めて肝臓がんが発生した患者。
年齢層などを調整したうえで、手術とラジオ波治療に無作為で300人ずつに振り分ける。

3年以内に計600人を登録し、登録終了の3年後に、再発のない生存率を調べる。
登録5年後に全生存率を調べ、公表する。

国土さんは「二つの治療の説明を聞いて迷う方は、ぜひ、この試験にご参加下さい」
と患者に呼びかける。

(2009年6月18日 読売新聞)



コメント:


こうした試験をランダム化比較試験という。

臨床研究の中では、一番、精度が高いとされている。

ただし、このくらいの数では十分なことは言えないけどね。


まあ、それでも、ようやく、長年、学会でも話題にされてきた、

手術VSラジオ波(RFA)の比較検討がなされるわけだ。

なお、後者は「内科的」といっていい。まあ結果を「生暖かく」見守ろう。


で、ちょっと、タイムマシーンに乗って、5年後の未来へ・・・。


両者間で差がありませんでした・・・

当該対象の肝臓癌患者にはRFAが第一選択になるだろう。

(こちらのほうが、患者の負担が軽いから。)


手術が勝ちました・・・手術が第一選択。

(ちなみに、この情況の患者さんは肝臓癌でも、

わかりやすく言えば「初期」のほうだからね。)


でも、どういう結果が出ようとね、その結果は、

結局、平均値としての結果でしかない。


つまり、個々の患者さんにとって、どちらがいいかは、わからない。


また、この両者、いずれをとるにせよ、

施術後の癌の再発抑制が問題となる。

なんせ、3年で70%くらいは再発するからね・・・。


で、再発を劇的に減らせる医薬品の開発をしてるのさ。

1つはフェーズ3だし、近いうちに出る。


実は、私のiPS細胞研究でも使ってる。