生まれつき盲目の人に『目が見えたら何が見たい?』と聞く新聞記者…バカな質問だが・・・。
「この間、クライバーンの記念のピアノコンテストで優勝した辻井さん、
全盲の、あの人が帰ってきてね、
どこの記者だこれ、朝日か、質問してるんだな。
メディアの諸君って力もってるよな。会社を背負って。
だけどそれは諸君がだね、優れた人材であるということの証にはならないんでね、
これ、ちょっと無神経というかね、
生まれたときから目が見えなかったこの人物にこういうこと聞いてるんだね。
『もし目が見えたら、何が見たいか』。
そしたら『両親の顔が見たい』とか彼は答えているわけ。
それでまぁ『心の目で見て満足しています』と笑みを浮かべたと。
これ、失敬千万というかね、傲岸というか、無神経というか、
これ質問になっていないということを
当人は分からないんじゃないかな。
この手のことがずいぶん多いね、このごろね。
福島智さんっていう、全盲全ろうつまり、子供のころから
だんだん目が見えなくなってついに両方の耳目が見えなくなって、
18歳の時に完全に聾唖者になった。
非常に優れた人物で都立大が点字で授業を受けさせて、
東大の先端技術の研究所のコミュニケーション。
つい最近教授になって、この人物に会って私、ショックを受けたんだけども、
彼に言わせるとね、やっぱり 健常者は同情はしてくれるけど、
本当に深刻な障害を負った人間というものをなかなか理解できない。
本当のコミュニケーションはそういう人たちはとりにくいんだということを言ってましたがね、
これなんかいい例だね。
第一、新聞記者がね、生まれたときから目が見えないと分かっている人間にだね、
目が見えたら何を言うか。
ばかな質問じゃないかこれ。おごりだよこれおごり。メディアの。と私は思いました。
非常に憤りを感じますね、これ。当人はこれいい記事書いたつもりでいるかもしれないけどね、
そういうところが
やっぱりね、記者としての資質を問われるべき問題だと思いますよ。」(抜粋)
(MSN産経)
コメント:
これ、確かに馬鹿な質問をしているわけだが、
その「馬鹿な質問」に対する「答え」が素晴らしい。
非常に上質の知性を感じた。