新型インフル:タミフル10代中止、継続へ 厚労省作業部会が見解 | 医学ニュースの深層

新型インフル:タミフル10代中止、継続へ 厚労省作業部会が見解

 インフルエンザ治療薬タミフルの服用と、飛び降りなど異常行動との関連を調べる厚生労働省の専門家作業部会が3日、非公開で開かれ「因果関係は明確に分からず、10代への原則使用中止は妥当だ」との見解をまとめた。近く開かれる同省安全対策調査会に報告され、正式に中止措置の継続が決まる見通し。

 使用中止は厚労省が2007年3月に決定。一方で今回の新型インフルエンザ発生後、同省は「新型の危険性を考慮した上で10代でも使用できる」との見解を示し、医療現場では既に使われたケースもあった。今後も中止が続いた場合の新型への対応について、作業部会では「タミフルを使用できるケースを具体的に示す必要がある」との意見も出され、同省は今後、日本感染症学会などと検討を進める。

 この日の会合では、06~07年の流行期にインフルエンザで医療機関にかかった患者約1万人を対象に行った同省研究班の疫学調査結果について検討した。

 タミフルを服用した場合の異常行動のリスクは、服用しない場合の0・62倍と低かったが、突然走りだすなど特に危険な行動を起こした患者に限定した解析では、服用した場合のリスクが1・25倍、10代に限ると1・54倍と高い数値が出た。

 ただ、危険な行動を示した患者は35人で、うち10代は11人。研究班はデータの不足から「解析結果は不安定だ」と評価。因果関係の有無は断定できないと結論づけ「明確な結論を得るには、危険な異常行動に限った研究が必要だ」と指摘した。



コメント:


 前に、ここの記事でも書いたように「タミフルの10代への投与は原則中止」。

どういう場合なら、例外的措置を認めるのかだが、今回の新型では、ずいぶん使用された。成田や神戸のケースでは、当局から「タミフル」使えと指示されたという医師らがいるようだ。彼らは、「逆らって」リレンザを使った。正解だ。


「タミフルを使用できるケースを具体的に示す必要がある」というのは、至極まっとうである。ただ、早急に、そのガイドラインが示されるべきだ。