新型インフルエンザ・・・「マスク」の件 | 医学ニュースの深層

新型インフルエンザ・・・「マスク」の件

わが国でも、新型インフルエンザが発生した。

厚生労働大臣が大変嬉しそうに見えるのは私だけか?


まあ、それはさておき「マスク」である。


代表的なのが、N95マスク。

ちなみに、産業用の使い捨て式防じんマスクには、わが国の国家検定が行われており、

DS2というクラスのものがN95と理論上では同様の効果があると考えられる。

もしN95マスクが底をついた時には、DS2の防じんマスクの使用も考慮する必要がある。

 N95の方は、米国労働安全衛生局が認定している。

ちなみにN95マスクの認定を受けているマスクは、何百種類もある。


 N95の認定にあたっては、機械的な捕集効率しか評価されていない。

そのため、どういう人の顔にもある一定の確率でフィットすることをN95マスクの認定の条件にすべきという議論が専門家の間では、起こっている。では実際のフィット率はどうなのよ?

 以下、知人からの紹介の実験研究だが・・・。


最近、1295人の医療従事者を対象にカナダの医療機関で定性的なフィットテストが行われた。

第1選択のマスクは様々のマスクのなかでもフィットする可能性が高いと言われているものが使用された。

 その結果、男性では93%程度、女性では80~88%が第1選択としたマスクにフィットした。

特徴的だったのは、女性の40歳未満の場合は、80%しかフィットしなかった点だ。

 また、3種類のマスクを準備した結果、ほぼ99%の人が自分にフィットしたマスクを見つけることができた。

ところが、6人は6種類のマスクに増やしても、そのどれもがフィットしないことが分かった。

6人はすべて40歳未満の女性であった。

 この結果から言えることは、最低3種類のN95マスクを準備することが必要である。

これはCDCの勧告とも一致している。

 医療機関にとっては1種類のマスクを大量に購入した方が価格が下がるためよいように思われるが、

これは間違っている。

 また、40歳未満の女性で20%が別のマスクを必要としたことは、重要な事実である。

つまりフィットテストをしないとどれがあうかは分からないということだ。

なぜあわなかったのかについては、おそらく顎のサイズの問題と考えられる。

 この調査対象はカナダの医療機関であるが、多くのアジア人やその他の人種の人が含まれていた。

日本人ではどうかということも検証する必要があるが、それほど大きなずれが生じる結果ではないと思われる。


 以上の話は、主に医療機関用の話だが、一般の方々も知っておいたほうがいい情報なので掲載しました。