新型インフル、米でも重症者増加 | 医学ニュースの深層

新型インフル、米でも重症者増加

【ジュネーブ2日共同】世界保健機関(WHO)緊急委員会のメンバーである国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の田代真人氏は1日、ジュネーブで日本人記者団と会見し、米国の新型インフルエンザ感染者の容体について「(入院が必要な)重症者の比率が1-2割程度に上っている」と指摘。これまで極端に重症者が多いとされてきたメキシコと比べても、全体の症状はそれほど変わらないとの認識が関係者の間で強まっていることを明らかにした。

 田代氏によると、確認された感染者数が少なかった段階ではメキシコだけ死者や重症者が多いことが疑問だったが、米国でも確認感染者が増えるに従い、重い肺炎や消化器の障害を示す例が増加しているという。

 田代氏は、今回のウイルスは症状が比較的軽い「弱毒性」とみられるが、「かなり大きな健康被害をもたらす可能性はある」と話した。

 一方、WHOによる警戒水準の再々引き上げの可能性については「きょう、明日上がるという状況ではない」とした。


コメント:「ウイルス性肺炎、下痢が多い」が重症者の特徴のようだ。

 WHOの世界各国の協力機関担当者による電話会議では、メキシコの担当者から、重症例の臨床症状について発表が4月29日にあった。

 その会議では、まず全身感染ではなく、肺炎であること。そして、肺炎は、主にインフルエンザウイルスによる肺炎であるが、中には細菌による2次感染も見られること。さらに患者の25%程度に下痢の症状が見られたこと―などが特徴として報告された。


 さらに、メキシコでの死亡症例の解析(ウイルスの遺伝子解析も含めて)も、急いでもらいたい。会議では、米国の死亡例(男児)には、基礎疾患として免疫に問題があったことなどが報告されているが・・・。