新型ウイルス:フェーズ5から6になるか・・・、そしてWHO委員の言説の検証
【ジュネーブ30日共同】世界保健機関(WHO)は新型インフルエンザ感染拡大の警戒水準(フェーズ)を「4」から「5」に引き上げたが、30日にはスイスでも感染が確認され、感染確認は少なくとも12カ国に増加、世界的大流行(パンデミック)の正式認定を意味する「6」への引き上げも現実味を帯びてきた。
WHOは米国などの保健当局や製薬業界と連携し、新型インフルに有効なワクチン開発に欠かせない、ウイルスの遺伝子構造の全容解明などに全力を挙げる。大流行に対し「歴史上最も備えができている」(チャンWHO事務局長)とされる世界の対応力が試される。
感染が確認されたのは、死者が多数出ているメキシコをはじめ、北米、中南米、欧州、中東、オセアニアにまたがる。感染の疑い例はアジア、アフリカも含め20カ国で見つかった。
WHOの警戒水準の定義では、「5」と「6」の間には感染の地理的な拡大以外にほとんど違いはない。「5」への引き上げの理由は、メキシコの隣国である米国で、人から人への感染拡大と一部感染者の症状が比較的重かったことが確認されたことだ。米国では29日、首都圏で初めて疑い例が報告された。
・・・ということです。
近いうちに6になる可能性は高いでしょう。
なお、WHOの緊急委員の田代先生は29日夕方(日本時間)、今回のは「弱毒性であり、強毒性に変異する可能性はないとみている。ただ、従来のH1N1とは違う。」と明言しました(日本経済新聞の30日朝刊)。
一方、「4から5へにあげる可能性は?」との質問に、「引き上げの可能性はある」と、実際にひきあげられた数時間前に、まだ、こういう回答をされてましたけど。
なお、情報分析は、私よりも、現地にいる「重鎮」は、なぜ「ぬるい」のでしょう?
また、毎日新聞の報道では・・・
田代氏は毒性について「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」とし
たうえで、遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような
遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。
被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、約200万人が死
亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。数千万人規模の死者が想定される強毒
性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。
致死率などについては、疫学的調査が終わっていないため「実際の数字は分からない」と説明。
そのうえで、メキシコで感染が疑われる患者が1000人を超える一方、同国以外は数十人規模で
あることから「割合からすれば(他の国で多くの)重症者が出なくても当たり前かもしれない」と
述べた。
対策についてはH5N1型に比べ「健康被害や社会的影響は大きく異なる。全く同じ対策を機械
的に取ることは必ずしも妥当ではない。フレキシブル(柔軟)に考えていく必要がある」と述べた。
日本の対策については「少しナーバスになり過ぎているところがあるかもしれないが、後手後手
になって大きな被害が出るよりは、やり過ぎの方がいいかもしれない」とした。
(略)
「H5N1型による大流行のリスクが減ったわけではない」と、警戒を怠ることは危険だと警告し
た。 」
・・・ということです。さて、問題点の指摘。
「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」としたうえで、遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。
日経とは、トーンが結構、違いますね。
私は、患者の中で、特に、死亡患者のデータ(ウイルスの遺伝子解析をふくめて)をこそ、公開すべきだと思います。
治った患者のを調べても、そりゃ、弱毒性ですよ。
「被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、約200万人が死
亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。数千万人規模の死者が想定される強毒
性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。 」
・・・ちょっとまってくれ。
今のままでも、200万人死亡する試算だって?
数千万規模だとようやく強毒で、200万死亡だと、弱毒?
これは、重大な数字だと思いますけどね・・・。
しかし、よく平然と、こんなことが言えるもんだな\(*`∧´)/
その他、29日の私のブログ記事のコメント欄に本件がらみの私見を追加しておきました。ご覧あれ。