レーシックの現状
先日の日本再生医療学会の講演にて、慶応義塾大学医学部の坪田教授(眼科医)が次のような話をしていた。ちなみに坪田先生は、かなり優れた医師・医学研究者・教育者で、確か、この治療法を日本に持ち込んだ方だったように思う。
「うちの娘たちは、みんな近眼なんで、レーシックをやってあげたい(年齢に達すれば)。でも、うちの奥さんだけは、「あなたにだけは、やってもらいたくない」と言っている(笑)。」
なお、レーシックでは「減菌」はできても「滅菌」はできませんよ。
また、角膜フラップ(角膜の表面の一部を円形状に薄く切って作成する保護膜)を持ち上げてレーザーを当てて戻す過程で、軽度の感染が起きないというわけでもありません。しかし、適切に器具を消毒していれば、このたびの事件のような入院を要するような症例が出ることはまずないのですがね・・・。
下記のアメーバー・ニュースで、レーシックのネタが議論されているので、
特に、気にしました。上記の先生の講演ネタ、及び、私の補足から、いろいろ「読み取ってください」ませ。
http://news.ameba.jp/research/2009/03/35071.html
<追記>・・・こっちのほうが重要か?
一方で、最近問題になっているのが、コンタクトレンズのケアが不十分で発症する
感染性角膜炎。
原因には、アカントアメーバ(笑)という原虫や黄色ブドウ球菌などがあります。
アカントアメーバは土壌や淡水によくいますが、
コンタクトレンズの一般的な消毒液では死にません。
知り合いの眼科医によれば・・・
長期間同じ保存液を使っているなど、不衛生な使い方をしていると、
角膜の表面に付いた傷から感染すると考えられます。
コンタクトレンズが原因と考えられる症例に限っていえば、
感染性角膜炎の入院症例は、2007年4月から08年8月中旬の間で、
全国224施設から233例が報告されています
(日本コンタクトレンズ学会と日本眼感染症学会の合同調査による)。
ここ数年の角膜関連の学会でも報告症例が急増しており、非常に注目されています。
軽症であれば点眼薬による外来治療で対応も可能ですが、
病変の進行が速いこともあるので注意が必要です。
また、先ほど挙げたアカントアメーバやMRSAによる角膜炎などの重症例では、
入院が必要になります。
特にアカントアメーバによる角膜炎では、特効薬がないので要注意。
アカントアメーバ・・・親しみを覚えるよ(笑)。