iPS細胞の倫理問題って?
先日、倫理学者らに本気で考えて貰いたい「iPS細胞の倫理問題」って書きました。
東大や京大の倫理学者は「iPS細胞があるからといって、本当にすべての倫理問題が解決されたのか?」と問題提議はしています。HPや文献などで。
だったら、どんな倫理問題が残されているのか?・・・あげていただきたいなあ。
また、今後、どのような、臨床倫理課題が生じる恐れがあり、それに対する現時点で考えられる処方箋は何なのか?こういうようなことを患者さんは、もちろん、あらゆる関係者に対して、公的に述べるのが仕事ではないのですか?
では、同じ大学に在籍する医学研究者の端くれとして僭越ながら・・・iPS細胞を移植医療などに応用できる状況がかなり整ってきて、目の前に患者さんがいるという近未来情況を想定した次のような仮想ケースを設定して話をしましょう。
今、iPS細胞の癌化をはじめとするリスク回避がかなり可能になってきていますから、近未来に起こりうるかもしれませんので。
例えば、脊髄損傷の患者さんのケースを1つ。
今まだ、癌化や健康リスクが生じる割合が一番いい方法でやっても数年後には、20%くらいあるとする。でも、車椅子から立てて、杖などの介助でなんとか歩行可能になれる可能性も30%くらいはある。状況が変わらないのは50%。
さて、当該患者さんに対する治験はGoなのか否か・・・倫理的にどうか?
「臨床的には数年後に癌ができようが、もう、そんなこと(リスク)は敢えてどうでもいい。今、上記のようなベネフィットが得られるなら・・治験にいれてもらいたい。」・・・という患者さんもおられると思います。こういう患者さんの数は、年齢によってかなり異なるでしょうが。一方、そんなくらいなら、まだ今のままで仕方ないという患者さんもいるでしょう。
最新の医学論文(英文)を読みこなして、こういう「ケース」を想定して、個々の患者さんにとって、現状で最もベストな選択ができるような具体的な支援方法の選択肢やシステムを今から考えるのが、当該分野の研究者のはずなんだけどね・・・。
他の臨床医学研究にも、重なるところが多いから、上記のようなケースについて、
頭をひねるべきでしょうね。
なお、ヒトES細胞研究の合理的な規制緩和が日本でいまだにできず、日本のiPS細胞研究に甚大な悪影響がでていますが、これも影響力の強い政府がらみの倫理学者様のおかげです。そのうち、米国から感謝状でも貰えるかもよ(笑)。
中国からは、何も貰えませんが・・・。
なんで、こっちは米国と共同研究してると思ってんだか・・・「お金」じゃないんですが。
ヒトiPS細胞研究の場合、少なくとも、ヒトES細胞との比較データがないと、まともな学術誌には受かりません。・・・この点で、日本の大学だけで、京大絡みでなく、樹立された「iPS細胞」については、私は?をつけてます。
ただ、今なら(米国に比べて)質のいいヒトES細胞使用で、一矢は報えるのですがね・・・。
P.S; ここで書いたケースは、無断でパクルなよ!(To 学者様へ)