おやおや、またまたMIT(マサチューセッツ工科大学)にやられちまったね・・・山中先生 | 医学ニュースの深層

おやおや、またまたMIT(マサチューセッツ工科大学)にやられちまったね・・・山中先生

前のブログからの続きネタです。


まずは、報道から・・・。


パーキンソン病患者の皮膚からさまざまな細胞に成長する人工多能性幹細胞

(iPS細胞)を高品質でつくることに、米国チームが成功した。

従来の作製法と比べ、iPS細胞の性質のばらつきを抑え、

がん化などの危険性も減らせるという。6日付の米科学誌セルに発表する。

パーキンソン病は神経細胞が減って神経伝達物質のドーパミンが不足し、

手足のふるえなどが起こる難病。


米MITなどのチームは、

53~85歳の男女5人の患者の皮膚細胞に、

iPS細胞をつくるのに必要な三つの遺伝子を導入した。

遺伝子の導入には従来通りウイルスを使ったが、

iPS細胞ができた後、特殊な酵素で導入遺伝子を取り除き、

遺伝子が過剰に働かないようにする仕組みも加えた。

すると、iPS細胞の遺伝子の働きぶりが、従来のiPS細胞より、

もうひとつの万能細胞の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に近くなることがわかった。

患者の細胞からつくったiPS細胞は、難病の原因解明の研究や、

拒絶反応のない移植治療に使えると期待されているが、

導入遺伝子が残っていると性質がばらつくとされ、課題になっている。

国立成育医療センター研究所の阿久津英憲室長は「技術改良が着実に進んでいる。

導入遺伝子を残さない今回のような作製法は、今後の主流になる可能性がある」と話す。

(朝日新聞より)


コメント


 今、結局、レトロウイルスで4因子でiPS細胞を創って

Creloxpでトランスジーンを除去するのがいいかもしれない(京大、山中)。


・・・山中先生、もう、こういうのは、MITにやられちゃいましたがな・・・。

しかも、ヒトで、3因子でも(C-Mycなしでも)。

 山中先生は知ってたのかな?1日後にCellにこういう論文が出るのは?


 あとは、ウイルスなしの作製方法との、この方法の組み合わせか・・・。

これは、もう時間の問題です。作製効率性UPのためにVPAなりTSA処理するか・・・。

(3因子で作製の場合、まだ効率が0.005%と低いから)


 ・・・とはいえ、できればサルで、この種の方法で作られたiPS細胞の安全性評価(癌化リスクなど)

もまだ必要ですけどね。iPS細胞を再生医療・・・特に移植医療・・・に使う場合には。


また一方、面白いことに、報道や論文内容からすると、・・・

 再生医療への応用以上に早期に期待されている、リサーチツールとしてのiPS細胞としては、

今までの方法で作製された疾患特異的iPS細胞でならば、

やはり、今回の方法に比べれば有用でなかったことになりますね。。。

(=そういう論文の価値は下がるね。Natureなどに出たばっかりでもね。)


 でも、このブログで少々触れているように、特に、がん研究のリサーチツールとしてのiPS細胞であれば、

(もはや)旧来の作製方法が、かえって、かなり有用なんですよ(笑)。