大学の先生の日常(1)
理系の大学の先生って、お金持ちなの?
以下を読めば、とても、それどころではない現状が理解できるかと。
下記の舞台は、米国です。
しかし日本でも、こうした凄惨な状況は、かなり似てきています。
研究者は、生活費込みの研究費(「グラント」といいます)をNIHなどの機関から競争で獲得して仕事をしています。そのグラントは、日本円に直すと、だいたい年間で2000万円~3000万円くらい。期間は3年~5年。この中で、自らおよびスタッフの人件費がまかなわれています。これが獲得できなきければ、早い話、失職します。
最近のNature誌では、現在進行中の経済危機の中でグラント獲得に苦しむ研究者の生の姿が取り上げられています。
10年以上にわたり、研究室を運営してきた2人の優れた研究者Jill Rafael-Fortney教授とDarcy Kelley教授が、再三の再投稿にも関わらず、グラントを更新できずに研究室縮小を余儀なくされ、閉鎖寸前にまで追い込まれていくストーリーがドキュメンタリーとして描かれています。 Research funding: Closing arguments; Nature 457, 650-655 (2009) |
このタイトルのClosingは研究室を閉鎖することです。 写真では、研究者たちのClothig(この場合、白衣)が掛けられてある風景が掲載されており、シャレにならない物凄いウルトラクラスの駄洒落のように思えました。
とても人ごとではなくて、身につまされる記事でした。
「努力が報われる」とはかきらないのは、どの職業でも同じです。
ただ、米国に比べて、日本では公正かつ透明な研究者評価がなされていないですから、余計にひどく感じます(昔よりは、幾分ましには、なりましたが・・・)。
特に、これから医学・生命系科学者を志す人には、「医師か薬剤師、看護師」の免許を持っておいたほうがいいと思います。
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