iPS細胞研究の話題 | 医学ニュースの深層

iPS細胞研究の話題

 iPS細胞研究に関する「日本での新発見」が、今日もまた新聞紙上を賑わせていた。各誌の紹介は、「京都人さん」のブログに、まとめられている。

 先日、私が「行かない!」と書いたシンポジュウムである。


 ただし、今回のシンポジュウム発表の随分前(もう、1年近くなる)に、なされた結構重要ないい研究でも、まだ論文としては出版されていない・・・。慶応などのがそう。


 聞けば、ほとんどは論文投稿中だという。

かなり、論文審査が厳しいのだろうか?それにしても、あまりにも、かかりすぎだ。

iPS細胞研究とヒトES細胞との比較データが必要だが、欧米勢、および中国に比べて、日本では、(研究規制が厳しい)ヒトES細胞データをなかなかとれないことが、ネックの1つでもあるけれど・・・。


 反対に欧米発のiPS細胞研究だけは、やけに通りやすい(笑)。まあ、それでも、Nature(姉妹誌を含む)、Science、Cellといったトップ誌に採択されるというわけではなく、その次の専門誌の上位クラスになってしまうケースも多いが・・・。

 なお、上記のトップ3誌には、もはや、この分野で載せるには超一流研究者の名前が入っていないと、どうも難しい。もし、入っていれば「とりたてて騒ぐことはなく、できることが十分に予想可能な研究成果」でも載る。・・・普通、他分野なら、その程度で上記のトップ誌には、かすりもしない。


 こういう状況である以上、日本のこの分野の研究者は、今までシンジュウム・学会発表されたにも関わらず、まだ論文化されていない成果なら、もう「京大の山中教授」の名前を入れて論文を出せばいい・・・(ちょっとくらい、関わってもらって)。そうすれば受かりやすくなるだろう。実際、そうである。

 そうでも、しないと、というか、そうするのが、オールジャパンだろう?

・・・と思うけれどね。