偽の幹細胞治療の販売がネットで横行-国際的な利用ガイドラインを作成 | 医学ニュースの深層

偽の幹細胞治療の販売がネットで横行-国際的な利用ガイドラインを作成




 世界では、今、インターネットを通じて
「偽の幹細胞治療」が高額販売されている。
 これを受けて、「Cell Stem Cell」誌12月号では、
ガイドラインが提唱されている。


 

 同じ号に掲載されたcorrespondence論文では、

カナダのアルバータ大学の研究グループが、

高額な幹細胞治療を販売する19のウェブサイトを分析している。

中国のBeike Biotech、ウクライナのACTをはじめとする様々な

病院が、多発性硬化症、パーキンソン病、脊髄損傷、

アルツハイマー病などの神経障害や、

自閉症、脳性麻痺などの先天性障害のほか、アレルギーや心疾患、

さらには美容目的で多数の患者を治したと謳っている。

 しかし、このような疾患の幹細胞治療について検討した研究は無く、

使用した幹細胞が本物であるか何に由来するものの証明もなかった。

幹細胞は患者自身の骨髄細胞由来であることが最も多いが、

かならずしもそうとは限らず、人工中絶された胎児由来や、

動物組織由来、提供者の組織由来の場合もある。治療費用は、

航空運賃や宿泊費を除き平均2万1,500ドル(約200万円)であった。



これは、恐るべき事態だな!




 私は、こういう事態は、まさにiPS細胞のケースでも近い将来、

生じるだろうと想定している。

特に、中国の動向が、正直、一番、不気味なのである。

彼らは、こういう裏技も平気でやってくる。

できてもいないのに、特許申請してたりな(笑)。

なお、韓国も侮れない。

 iPS細胞からの肝細胞、膵臓細胞への分化でも特許化したと9ヶ月以上前に

報道でアナウンスされたが、いまだに、論文公表もない。

どういうことか?想像つきますね。



 だいたい、みなさんは、日本発のiPS細胞の競争相手は、

米国(あるいは一部、欧州)と思っているだろうが、

本当は、中国が、一番、怖い。

 米国なら、手の内は、かなりわかる分、まだマシである。

それに、向こうが、すでにNo.1だ(笑)。

 論文みてれば、わかるが、米国発の論文に結構、中国系が多いし、

実際、ハーバード大学医学部あたりで、必死になってるのは、彼らが多い。


 日本は、事実上2位狙いだが、ヒトES細胞研究論文数の国際シェアが

米国・中国は、日本の10倍。

このことからみても「表技」でも2位が、中国にさらわれる可能性がある。


 なお、今回の新しいガイドラインは研究を実用的かつ責任あるものへと

導くためのものだとHyun氏は述べ、

幹細胞には一貫した品質管理および製造が必要である他、

腫瘍を形成することもあるため慎重な経過観察が必要だと指摘している。

 それに応じて、(日本を含む)13カ国の専門家チームにより作成された

このガイドラインは、倫理的審査、幹細胞の品質および安全性の問題に

対応するものとなっている。

 幹細胞による治療が標準となっている疾患は少なく、

白血病の造血幹細胞治療や、熱傷や角膜障害への上皮幹細胞

による治療にとどまっている。

 しかし、「幹細胞研究は大きな可能性を秘めている。

治療という直接的な応用に結びつかなくとも、間接的な形で患者が研究による

利益を得られる日も近い。」とHyun氏は述べている。


 もはやガイドラインなどと悠長なことをいってる場合ではない。

罰則規定のない、ガイドラインなど、なんの意味も無いのだ!