カートグラムから見る日本の医師数と医療の質 | 医学ニュースの深層

カートグラムから見る日本の医師数と医療の質

米国大統領選では、オバマが新大統領に選出されましたね。



 map-6 青(オバマ)と赤(マケイン)の二色に塗り分けられた合衆国の地図を見て、赤(マケイン)が若干優勢?とか、3倍面積の大きいモンタナがニューヨークより大統領選に影響力あるかも?とあやまった印象を持つ場合があるかもしれません。





map-2 しかし、それぞれの州の大きさを人口で補正すると青(オバマ)優勢や、ニューヨーク>モンタナであることが容易に理解できます。このように、州や国の領土/領域を様々なパラメーターで補正し描き直したものをカートグラムと呼びます。こうしないと、上記のように間違った解釈をしてしまいます。



以下のHPでは、科学、職業、医療などの観点からの600以上のカートグラムを見ることができます。




さて、ここで医療の話題。

上記のDoctor欄をご覧ください。
昨今、マスコミおよび、一部の評論家の間でいわれているほどには、
日本の医師数、そして、医療の質については、
他国に比べて悪くはないように思えます。
そりゃ、もっと、質の高い優れた医師が多ければいいですが・・・。

 医師数最大の問題は、やはり診療科目の偏在(産婦人科、外科、小児科医の不足)と、地域の偏在でしょう。これらは、特に、独立行政法人化以降の医局の崩壊の加速に伴い、ひどくなっていったわけですが。


ただ単に、医師の数を増やせば、いいというものではない。
一番医師数が多いとされる中国の医療の質はどうよ?
多ければいいのか?(笑)
米国も見てみよう。医師数は、満足すべき状況でしょうが、質は、とても満足すべき状況にない。
日本は、こういうようになりたいのですかね?。

中途半端に、足りないから歯科医師を医師にしろとか、ひどいもんだ。
そう主張する歯科医らに、プライドはないのか?といいたい。
たぶん、録でもないボンボン歯科医が医師になりたがるでしょうよ。
そして彼らは、お金儲けのできる診療科あるいは、都市部に残りたがるでしょうね。

抜本的な、大学改革と医学教育改革が必要でしょう。
2004年以降の国公立大学の独立行政法人化の悪影響を一番、こうむったのは明らかに医学部・病院であり、現場の患者さん。

2004年以前に戻すのも、改革の選択肢ではないか?