[再掲]なぜハロウィンを祝わないのか(週報のコラムから:2019.10.27.) | いこいのみぎわ

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牧師であり家庭教師である摩周遍里の、ときにまじめに聖書的、ときに脱線して、飼い犬のユテコくんも笑い出す、つれづれブログです。

※今年はこの内容を週報に掲載しませんでしたが、去年の内容をブログには再掲載します。新型コロナウィルスの影響で、今年は騒動が起こることはないでしょうが、油断せずに地域のためにとりなして祈りたいと思います。

 

 

10月31日は宗教改革記念日であると同時に、最近日本でもすっかり定着した感がある「ハロウィン」です。一昨年と昨年の今頃にもほぼ同じ文章を掲載しましたが、一部補訂の上、今年も掲載させてください。

今年もまた、欧米はもとより日本のあちこちでハロウィンが祝われます。デパートやスーパーでも、近年異常なほどハロウィングッズが所狭しと並べて売られています。年々、ハロウィンに対する日本人の関心は高くなってきつつあるように見られます。

ただ、私たちの教会ではハロウィンを祝いません。なぜなら、ハロウィンはカトリックでも教会暦の中で公の祝日とされていない、何らキリスト教的な背景を持たないばかりか、悪魔的な背景があるイベントだからです。

ハロウィンはもともとケルト人(古代ヨーロッパ中・西部に住んでいた民族)の土着宗教・ドルイド教の習慣から出ているものです。ケルト人の大晦日は10月31日で、この夜には魔物や死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたとのこと。家々を尋ねて“Trick or Treat”と尋ねるのは、実は「生贄にする子どもを差し出すか?」の意味があるのだとか。この夜、自分たちに危害を加える魔物や霊たちの目をごまかすために仮面をかぶり、魔よけの焚火を焚いたりしたそうです。だから、不気味な仮装をハロウィンのときにするのです。もちろん、「年に一度死者の霊が家族を訪ねる」とは聖書にはどこにも書かれていないことです。

「異教の習慣というなら、12月25日にクリスマスを祝うことも、もともとそうではないか」という方がおられるでしょう。なるほど、たしかにイエス・キリストの正確な誕生日はわかりません。古代ローマの太陽神の祭りが12月25日だったことから、異教徒からクリスチャンになった人々が、かつて太陽の誕生を祝った12月25日に主イエスの誕生を祝うようになったというのが、現在の12月25日のクリスマスの始まりだと言われています。

けれども、クリスマスを12月25日に祝うかどうかは大きな問題ではありません。私たちの救い主がお生まれになった歴史の事実が大事で、私たちはそれをお祝いするのです。それにくらべて、ハロウィンには何ら積極的に祝う意味ある背景がありません。

まして、魔女の扮装を女の子が争ってしたり、欧米では動物が殺されてその首が悪霊へのいけにえとして掲げられたり……ハロウィンには悪霊の影響が色濃く感じられます。私としては、どんなに世の中がハロウィンを祝う風潮であっても、それを伝道のために利用する気持ちにはなれません。

 

 

昨年(2018年)のハロウィンでは、渋谷で仮装した男たちによって取り囲まれた軽トラックが横転させられ、盗撮や痴漢などの疑いで逮捕された者が5人も出ました。残念ながら、今年も騒ぎが起き始めているようです。これ以上ひどい状況にならないことを願います。