辞書がボロボロになった割には英語の力が……(週報のコラムから) | いこいのみぎわ

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牧師であり家庭教師である摩周遍里の、ときにまじめに聖書的、ときに脱線して、飼い犬のユテコくんも笑い出す、つれづれブログです。

「辞書はボロボロになるまで使え!」……英語の先生から何度聞かされたかわからないことばです。最近、私が長年愛用してきたポケットサイズの英和辞典……思えば神学生時代、英語の聖書注解のコピーを手に、電車の中でその辞書を片手に読んで、説教演習に備えたものでした……が、ボロボロに近い状態になりました。そこで新しい小型英和をネットオークションで買ったのです。ただ、辞書がボロボロになった割には英語の実力がほとんど伸びていないので困っているのですが……。

 

(↑左が今まで使用してきた辞書で、右が今回新たに購入した辞書。)


「ボロボロになるまで使うために、辞書は高くても革装を買った方がいい」とアドバイスしてくださった先生もいました。そこで、いつも持ち運ぶポケットサイズの英和辞典は革装のものを使っていましたし、今回買った新しい辞書も革装です。ただ、新しい辞書を書店ではなくネットオークションで買ったのは、革装の小型辞書が書店で見つからなかったためでした。察するに、電子辞書の普及で紙の辞書そのものが売れず、革装まで出している余裕が出版社にないものと思われます。

そんな中、ブックオフでポケットサイズの英英辞典(こちらは“厚紙装”です)が500円で売られているのを見て「試しに使ってみようかな……」と思って買い求めました。今まで英英辞典を日常的に使う習慣がなかったのですが、英語の勉強とディボーションを兼ねて、英語の新約聖書を試しにこの英英辞典を引きながら読んでみると、あることに気づきました。

 


マタイ18章を読んでいるとき、“stumble”ということば(……このレベルの単語を知らない、お恥ずかしい実力です……)に遭遇しました。その英英辞典によれば“hit your foot against something and almost fall”と説明されていました。……“何かに足をぶつけてほとんど倒れる”……英語の聖書で“If your hand or foot causes you to stumble, …”と書かれてあるのをしばらく考えて、「そうか、『つまずく』だ!」とわかったのです。

英語の説明だとピンと来なかったのに、『つまずく』だとすんなりわかります。つまり、英語を読むときにも、私は今までどこかで日本語を頼りにしていたのです。英語を英語のまま理解しようとしない、英語で考え英語でイメージすることが貧弱である……これが、辞書がボロボロになった割には英語の実力がほとんど伸びていない理由なのだと気が付きました。とはいえ、単語一つの意味で立ち止まって考えてしまうのでは時間がかかりすぎる……と言い訳しつつ、新しい英和辞典と英英辞典を併用して英語の聖書を読んでいますが……。

しかし、信仰の世界は「聖書のことば」と「自分のことば」の併用ではいけません。100%聖書のことばが主でなければいけません。「聖書を聖書によって理解する」「聖書的な思索をもち聖書に書かれてあることをイメージする」……私たちはとかく自分の今までの「○○すべき」という価値観で聖書を解釈したり、自分が納得できない聖書の箇所は目をつぶり、切り捨ててしまいがちです。これでは自分が主になっています。でも、バランスよく聖書全体を読みながら、自分の考えを明け渡し、聖書に込められた神様の思索を自分のものとして、聖書のみことばに生きさせていただきましょう。

 

 

ⓒ西住啓

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