「摩周遍里」のハンドルネームの由来を、ある方から質問されましたので、お答えします。
 

昔、江戸川乱歩という推理作家がいました。この名前は、エドガー・アラン・ポーという推理作家にあやかっています。また、映画監督の市川崑は、脚本を書くときには「久里子亭」を名乗っていました。これは、市川崑が大の推理小説ファンで、アガサ・クリスティーにあやかった名前です。
 

では、私は誰にあやかったかというと、17世紀にイギリスで活躍した、マシュー・ヘンリーという牧師です。

 

 

この人は、地道に聖書の講解をすることに徹した牧師で、聖書全巻にわたる注解書を残しました。私はその注解(英語です。日本語訳は一部分しか出されていないのが残念です)を、辞書と首っぴきで読むのですが、深い霊的な洞察に満ちています。マシュー・ヘンリーが、ロンドンから田舎の牧師に転任になったとき、多くの聴衆がその田舎に引っ越したという逸話があるほど、彼の聖書講解説教は聴衆を魅了しました。「摩周遍里」という名前には、未熟者ではあっても聖書講解だけで勝負できる説教者になりたいという、私の願いが込められています。
 

今日の日本の教会では、主題説教の方が講解説教よりも重んじられる傾向があるかもしれません。私も主題説教をしないわけではありません。でも、長い目で見るなら、聴衆がきちんと養われ成長するためには、講解説教が欠かせないと、私は信じています。聖書を地道に解き明かすところに、神様がどのように働かれるか、生涯をかけて見てみたいのです。