子供のころの話。

 

小学校の先生は、怖い大人の集まりだった。

小学校1年生、2年生の担任が、生徒を殴る教師だったからだ。

担任は、若い女教師だった。

 

つい最近、ボランティアの現場で同級生「こんちゃん」(仮名)に45年ぶりに会った。

僕ら、よく殴られたよね?

「うん、小学校の先生は、しょっちゅう子供を殴っていたよね」

 

やはり、あれは夢ではない。何かの記憶違いということもあるので、

「こんちゃん」に確かめてみたのだ。

 

その日は、インフルエンザの流行で、体育の授業を休む生徒が10人ほどいた。

グランドには出ずに、教室にいるように、と先生から指示があった。

しばらくは、みんな静かにしていた。

しかし、そこは小学1年生。ひとりの生徒が、教室中を円を描くように走り始めた。

つられて、2人、3人と続いて、気づくと、ほとんどの生徒が教室内をぐるぐると走っていた。

 

そこへ、担任の先生が戻ってきた。

「そこへ並びなさい」と一列に並ばされた。

 

そして、この若い女の先生は、何も言わず、いきなり右端の生徒の頬をパーンと殴った。

殴られた生徒は、ぐらっと姿勢が崩れて、尻もちをついた。

次に2人目をパーンと殴り、3人目、4人目と、先生はなんの躊躇もなく殴り続けた。

 

私は、左の方で、自分の番がくるのが怖いなあ、と思いながら倒れていく生徒を見ていた。

先生は、子供をモノのように次々と殴って、全員を殴ると、無言で教室から出ていった。

 

小学校1年、2年とクラス替えはなく、2年間、担任はこの先生だった。

この先生に何回殴られたか、もう忘れたが、些細なことで生徒を殴るので

先生が怖かった。

 

他にも、生徒を平気で殴る教師が、私の小学校には数人いた。

小学校5年生のころ、昼休みに、女の生徒が担任の教師に殴られていた。

それは、ひどい殴り方だった。

女生徒は泣き叫んでいたが、男の教師は、怒鳴りながら何発も殴っていた。

怒鳴っては殴り、また怒鳴っては殴り、残酷な暴力だった。

その先生は、女生徒が逃げないよう、角度を変えて殴り続けていた。

 

私は掃除当番で、至近距離から、その暴行現場を見ていた。

泣き叫ぶ女生徒、殴り続ける教師、いまでもあの光景が忘れられない。

 

中学校でも、数学、音楽、体育の先生が殴る教師だった。

里山の小学校・中学校には、殴る教師がたくさんいた。